ロードバイク好きにオススメする!自転車熱を上げるために読みたい自転車マンガ・小説8選

今回は少し趣向を変えて、ロードバイクや自転車パーツといったものではなく、誰でも手軽にロードバイクの世界を知ることのできる、自転車マンガと小説についてだ。
私自身、漫画は小さい時から好きで、色々なものを見たり読んだ。
現在ロードバイクに乗っている理由としても、少なからず漫画の影響を受けている。
そこで自転車を始めてみたいという人や、自転車を始めたけどもっと熱くなりたいという人に向けて、私がお薦めしたい漫画と小説を紹介しよう。
2ページ目に番外編もあるよ♪
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・おすすめマンガ

まずはマンガから紹介していく。
マンガに共通することだが、自転車マンガも描かれている描写や言葉は少々オーバーなものが多い。
ただそれだけに、自転車乗りの熱い気持ちの部分が存分に描かれており、読み終わればすぐにでも自転車に飛び乗りたくなること必至だ!

弱虫ペダル

『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)に2008年第12号から連載中。
自転車のことを知らなくても、名前くらいは聞いたことがあるであろう超定番自転車マンガ。
近年の自転車ブームは、この漫画の影響と言っても過言ではなく、女性の自転車乗りを増やすことに貢献しているマンガである。
全58巻(現在掲載中)

ストーリー

気弱でアニメオタクな主人公、小野田坂道。 彼は、大好きなアニメグッズを買う為、 毎週、千葉から秋葉原まで往復90kmの道のりを、 ママチャリで通っていた。 そんな小野田の才能に目を付けた自転車店の娘、寒咲幹や、 同級生で自転車レーサーの今泉俊輔によって、 小野田は高校の自転車競技部に入部。 ロードレースの楽しさに魅了され、その才能を開花させていく。 (テレ東「弱虫ペダル」より)

個人的感想

全てを読んだわけではないので、一部の感想として記載する。
良くある王道パターンの青春マンガだが、作者の渡辺航も大の自転車好きのため、意外とマニアックな描写がされている。(何度かレース会場で見掛けたことがある)
キャラクターごとに脚質が分かれており、ロードレースのチーム戦の仕組みが良く分かる。
自転車パーツなども細かく描かれており(メーカー名は微妙に違う)、自転車好きが読んでも楽しめる。
マンガの構成から自転車レースの本来のルールとは若干違う部分もあるが、読んでいて気になるようなものではない。

シャカリキ!

1992年から1995年まで『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)に連載されたマンガで、個人的には弱虫ペダルより熱血青春感を感じる。
弱虫ペダルが始まる前から自転車に乗っている人間からすると、シャカリキ!こそ王道という人も多い。
全18巻(少年コミック版)

ストーリー

坂の町で自転車を愛する少年野々村輝がロードレーサーに乗り、個人ロードレースや「チームロードレース(=チームタイムトライアル)」、ツール・ド・おきなわ等を通じて日本でも有数のヒルクライマーに成長するまでを描いた作品。(Wikipediaより)

個人的感想

まずなにより、ヒルクライマーになるという明確な目標を持った主人公の情熱が前面に描かれている。
また機材についても良く説明や描写がされているので、初心者の教材としてもお薦め。
出てくるキャラクターがヒルクライマーだらけなのだが、個性が強く飽きない。
手書きマンガなので画に古くささはあるが、それが気にならないほどテル(主人公)を応援したくなるし、読み終わった後にはヒルクライムに挑戦したくなるだろう。
またマルコ・パンターニが活躍し始めた時代背景もあり、描写に取り入れられているのも素敵。

かもめ☆チャンス

『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて2008年~2013年まで連載。
他の自転車マンガと大きく違うのが、主人公がお父さんだということ。
仕事や子育てに悩みながらも、身近で応援してくれる人たちに支えられながら自転車選手として成長していく過程は、興奮と感動を誘う。
全20巻

ストーリー

父子家庭の父で、信用金庫勤めのサラリーマンである更科二郎が、とあるきっかけでロードバイクに乗り人生を変えてゆく「自己再生ロードバイクストーリー」(第1巻帯より)

個人的感想

少年漫画ではないので、描写は緻密で内容も現実的なものが多く、それ故に主人公に共感・感情移入しやすい。
登場するキャラクターは個性があり、所々に登場するギャグ要素がマニアックだったりするのも◎。
実際に開催されている乗鞍マウンテンサイクリングや群馬CSCの東日本実業団レースなどが描かれており、レース内での駆け引きが分かりやすい。
主人公の能力は若干チート気味だが、情熱的なキャラクターに嵌る事間違いなしだ。
ストーリー後半に登場する「どっかーん!」というワードは、マネしたくなって夜の尾根幹で叫んでみたことがある笑
因みに作者の玉井雪雄は、他にもじこまんという自転車マンガも書いている。

OverDrive

『週刊少年マガジン』(講談社)で2005年24号から2008年24号まで連載されていた。
あまりメジャーなマンガではないが、ギャグ要素も旨く織り込みつつ、高校生の青春自転車生活を描いている。
全17巻

ストーリー

「ツール・ド・フランス」それは世界最大の自転車レース。
今、ツール・ド・フランスに新しい歴史が刻まれようとしている。
総合1位を走っているのは、なんと日本人!その名は「篠崎ミコト」。
「自転車部に入らない?」
大好きな深澤さんからそう言われた、篠崎ミコト15歳。
だが、哀しいことに、高校1年生のミコトは自転車に乗れない!
“自転車部”がなんなのか分からないまま夢中で自転車に乗る練習を始めるミコト。
苦労の末、初めて自転車で疾走したとき、15年間くすぶっていたミコトの心で何かがはじけた!
「自転車を本気でやってみたい!」 (AT-X「OverDrive」より)

個人的感想

私がロードバイクを買おうと思った一つの理由になったマンガで、思い入れが深い。
描写は少年漫画と青年漫画の間くらいで、キャラクターの線は細め。
少年漫画王道の、弱虫キャラが強くなっていくパターンで非現実的な描写や用語も多いが、その分登場人物の感情などが良く伝わってくる。

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・おすすめ小説

マンガの次は小説だ。
やはり小説の方が濃厚でマニアックな作品が多い。
その分嵌れば満足度も高いはずだ。
今回は、初心者でも理解しやすいものに絞って紹介しよう。

サクリファイス

近藤史恵の自転車小説で、自転車乗りには定番。
自転車小説でありながら推理小説という少し変わった内容。
ただし自転車好きなら間違いなく嵌るはずだ。

ストーリー

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと――。陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地を転戦していた。そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。アシストとしてのプライド、ライバルたちとの駆け引き。かつての恋人との再会、胸に刻印された死。青春小説とサスペンスが奇跡的な融合を遂げた! 大藪春彦賞受賞作。(作品紹介文より)

個人的感想

プロロードレースのチーム内の実情などがリアルに描写されており、まずそこだけでも興味深く面白い。
またミステリーとして、ストーリーが何度もひっくり返るところも読んでいて飽きさせない。
めちゃくちゃ引き込まれて、しかも最終的に泣けるという素敵小説。
ちなみに作者の近藤史恵は、多くの自転車小説を書いており、他もかなり面白い。

エデン

サクリファイスからの続編。
前作を超えるストーリーと、ツール・ド・フランスという大舞台で繰り広げられる黒いやり取り等、現実にもありそうな内容が堪らなく面白い。

ストーリー

あれから三年―。白石誓は唯一の日本人選手として世界最高峰の舞台、ツール・ド・フランスに挑む。しかし、スポンサー獲得をめぐる駆け引きで監督と対立。競合チームの若きエースにまつわる黒い噂には動揺を隠せない。そして、友情が新たな惨劇を招く…。目指すゴールは「楽園」なのか?前作『サクリファイス』を上回る興奮と感動、熱い想いが疾走する3000kmの人間ドラマ。(作品紹介文より)

個人的感想

サクリファイスからの続編ということもあり、ストーリーが醸し出す雰囲気は似ている。
ただし内容はより濃く、黒いものになっており、自転車レース界の二面性が上手く描き出されていると思う。(本当に実際にありそうな駆け引きなのだ)
サクリファイスが面白いと思えた人なら、こちらは更に面白い。
できれば、ツール・ド・フランスについて基本的な知識があると、もっと楽しめると思う。

セカンドウィンド

川西蘭の高校生青春自転車小説。
この小説は3巻まであり、主人公の成長と共にストーリーが進んでいく。
青臭くも青春してる感じの小説が読みたい時には非常にお薦め。

ストーリー

競売で手に入れた元郵便配達用の自転車をこよなく愛する鳴滝村の中学生・溝口洋。春休みの一日、雲見峠でロードバイクの集団に出会い、その速さに圧倒された瞬間から、洋の青春のギヤは回り始めた。 初めての自転車レースに出場し、名門・南雲デンキ自転車部ジュニアクラブの練習に通い始めた洋。そこで自転車に青春をかける仲間たちとの出会い、反目、初めての熾烈な競争、そして別れを経験する。 夏休み、気ままな自転車乗りに戻った洋は、清姫峠で天才的なヒルクライマー・田村岳と出会った。岳の父の経営する自転車店でバイトしつつ、いつしか友情と自転車への思いを深めていく。そして夏の終わり、洋は岳とともに伝説の激坂「メデューサの一瞥」「天狗の蹴落とし」に挑戦する。 自転車のように、時に加速し減速し、壁にぶつかり、でも着実に前進していく少年たち。峠の先に待つ未来を夢見る少年たちの輝くような一瞬一瞬を描いたこの作品は、スポーツ小説の枠を遠く超えて、読む者の心をとらえて離さない。溝口洋の青春の第一章、今スタート!

個人的感想

青春小説が大好きな私には最高に面白かった。
初めてスポーツ自転車に乗った時の喜びや興奮が丁寧に描かれており、激坂に挑戦する姿がしびれる!
地名こそ実在しないが、「ああ、あそこっぽいな」と文を読みながら思い浮かべられるのがまた楽しかった。

ヒルクライマー

名前の通りのヒルクライムに焦点を当てた、高千穂遙の作品。
ヒルクライム好きなら納得の内容で非常にマニアックながらシンプルな感情が描かれている笑

ストーリー

「なぜ坂に登るのか?」
世はまさに空前のロードバイク・ブーム。そして中でもヒルクライムレースは、山国という日本の国土の特異性もあり、多くのファンを惹きつけてやまない。されど……。
自転車で山に登る……容赦のない疲労困憊……いったい何が楽しいのか?なぜ重力の法則に逆らい、何の報酬もない苦行に耐えなけれなならないのか。しかし、死ぬほど苦しくても、彼らはペダルを漕ぐのを止めない。長い坂を登りつめた果てに何があるというのか?
ヒルクライムの面白さに取り憑かれた作家が自らの体験を元に、愛すべき“坂バカ”たちのドラマを鮮烈に描き尽くした、日本初の本格ヒルクライムレース小説。本書はスポーツ冒険娯楽小説であると同時に、坂バカたちそれぞれの人生の疲れと痛みが、歓喜に満ちた癒しに変わっていく過程を描いた、魂と肉体の再生の物語でもある。
「なぜ坂に登るのか?」
それはロード乗りが必ず一度は取りつかれる問いだ。読んでから登るか、登ってから読むか? 答えは挑んだもののみに与えられる。

個人的感想

個人的には一番好き。だってヒルクライムが好きだから笑
小説の構成としては、比較的ありがちな人間関係や描写だが、何よりヒルクライムについてこれでもかと詰め込まれている。
自転車が好きなら、「ああ、分かる分かる!」と思いながら読めるはず。