今回紹介する峠は、全国的に知らない人はいないであろう箱根峠だ。
箱根というと年始の箱根駅伝が有名だが、箱根峠には3か所の登りがあり、東側から登る国道1号線ルート、西側から登る国道1号線ルート、東側から登る旧東海道ルートとなる。(箱根駅伝は東側から登る国道1号線ルートだ)
今回はその中から、東側から登る旧東海道ルートについて紹介したい。
旧東海道ルートは名前の通り、現在の国道1号線ができるまでは箱根越えの主要路として活躍してきたが、現在は国道1号線のほか、箱根新道という自動車専用道路もあるので、交通量はそれほど多くない。
しかし、箱根の山は天下の険とうたわれるように、険しい道が続くルートになっている。
・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★★☆☆☆
景観: ★★★★★★☆☆☆☆
路面状況:★★★★☆☆☆☆☆☆
距離
10.3km
最大標高差
687m
平均斜度
全体:6.5%
上り:8%
下り:3.8%
獲得標高
上り:693m
下り:23m
・補給ポイントについて
スタート地点は、小田急線箱湯本駅の手前にある三枚橋交差点からとする。
頂上までの距離は10.3㎞だ。
アクセスはもちろん箱根湯本駅が最寄りとなり、ロマンスカーなら新宿から1時間半程度だ。
ただしスタート地点に近すぎるので、アップを考えると小田原駅が良いかもしれない。
・ラストコンビニ
ラストコンビニはスタートして400mほど走ったところにあるファミリーマートとなる。(イートインスペース有り)
・ラスト自販機
ラスト自販機は概ねコースの半分ほどを過ぎたところにある寄木細工すぎやにあるものが最後となる。
ちなみにコースの最難関ポイントとなる七曲りの手前で、公衆トイレもあるので途中の休憩にはもってこいだ。
・実走レビュー
スタートすると温泉街を抜ける道を3.4㎞に渡って登っていくことになる。
平均勾配は5%ほどとなるが、下りを含んだ階段式の登りとなっており、最大傾斜は13%前後になることもある。
またスタート直後は特に道が狭いので、人の飛び出しや対向車には注意してほしい。
最初の区間を終えると一旦600mほどは緩やかな下りを交えた道になる。
箱根新道の須雲川ICがあるので、目印にするとわかりやすいだろう。
ICを越えて少しの下りを過ぎると、1.4㎞の区間で平均10%弱の坂が続く。
須雲川IC前後で脚をしっかり休めておかないと、この区間で辛くなってしまうので注意だ。
またこの区間の途中(スタート地点から4.2㎞地点)に神社があるのだが、この神社前のヘアピンカーブの内側は傾斜が20%超となる。
ここも要注意ポイントだろう。
きつい区間を越えると、500mほど勾配は緩やかになる。
道が細くなるので、疲れていてもしっかりと前を向いて運転しよう。
どうしてもきつい場合には、ラスト自販機と公衆トイレがあるので、ここで休憩しておこう。
ここから600mほどは9%弱の勾配となる。
それを過ぎると、旧東海道名物の七曲りとなる。
ちなみに七曲りというが、カーブは13回ある。
この区間は1.2㎞で平均勾配は10%強となる。
数字だけを見ると、いままでの激坂と比べてあまり大したことのないように見えるかもしれないが、実際にはカーブの内側の勾配が20%程度まで上がることもあり、その割に勾配の衰えないストレート区間で脚の回復がしづらいという環境がある。
しかも七曲り区間が終わっても、勾配が衰えるというわけではない。
その先も1.2㎞区間に渡って平均10%弱の坂が続く。
七曲りが終わったのに、その先も坂が続いていること、更に先の見とおせる直線的な登りなので、精神的にも脚的にも応えること請け合いだ。
もちろん直線だけでなく、カーブもある。
この区間を終えるとやっと勾配が緩くなる。
右側に茶屋が見えてきたらゴールは近い。
茶屋の前後600mほどは6%程度の勾配となるので、脚を回して今までの疲れをできるだけ飛ばしたいところだ。
いきなりだが、先ほどゴールは近いと言ったが、あれは嘘だ。(サイクリストジョークの「あそこがゴール」詐欺の一種みたいなものだ)
実は茶屋を過ぎると、500mに渡って平均10%強の勾配が続く。
道がくねくねしているので、カーブの内側はやはりきつい。
・頂上施設について
これを終えると遂にゴールとなる。
ゴールといっても何か目印になるものはなく、そのまま芦ノ湖まで下る道となる。
せっかくなので芦ノ湖まで足を延ばしてみよう。
芦ノ湖のそばは、コンビニのほかに食事処も多いので補給に困ることはないだろう。
晴れていれば芦ノ湖を一望できる。
また余力があれば、本来の箱根峠まで行ってみるのも良いかもしれない。
・路面状況について
路面状況は、旧道ということもありガタついている個所も多い。
ただ登りで問題になるような箇所はないだろう。
カーブや道幅の狭いところが多いので、下りは十分に注意してほしい。