現時点でXiaomi14Ultraはサイクリストにとって最強のスマホカメラかもしれない件

スマホを買い換えたら、ちょっと感動したので皆さんにも共有したいと思ってこの記事を書いている。

なお先に断っておくが、案件でも何でもない。

つい先日、新しいスマートフォンを購入した。
今まで使用していたスマートフォンが使えなくなったというわけではなく、サイクリング中にもっと手軽にきれいな写真を撮りたいと思ったからだ。
購入したスマートフォンはタイトルにある通り、5月に発売されたばかりのXiaomi14Ultraだ。
結論から言うと、「写真好きなサイクリストは購入して間違いないスマホ」だと断言できる。
その理由や購入に至った経緯を書いていこうと思う。

なお、この記事の文章はタイトルの通り「サイクリストにとって最強のスマホカメラ」であると思う理由を述べていくので、本体の細かいスペックなどは取り上げない。
少しだけ触れておくと、このスマホは約20万円とAndroid機としては高額でカメラだけでなくCPUやディスプレイ、AI処理などほぼすべての機能が最新の全部入りスマホと言っても過言ではないスペックとなっている。
このスマホでハードウェアスペック的に満足できないというユーザーはほぼいないと思われるが、それでも気になる方は公式ページで確認するか、YoutTubeなどで「Xiaomi14Ultra」と検索して詳細を確認してみてほしい。
https://www.mi.com/jp/product/xiaomi-14-ultra/

・購入に至った経緯

何がサイクリストに向いているのかという答えを早く聞きたいと思うかもしれないが、一応購入に至った経緯を書いておこうと思う。
まず私はAndroid勢である。Apple製品はiPhone5S以来使用していない。
これから書く内容はあくまでもAndroid製品での話になるので、「私はどこまで行ってもApple勢です。」という人はブラウザバックしてもらってもいいかもしれない。
もちろんどういう写真が撮れるか興味がある人は作例だけでも確認していってほしい。

去りゆくキツネ

さて、私はXiaomi14Ultraを購入するまで2022年4月から同じXiaomiの11TProというコスパスマホを使用してきた。
当時はあまりお金がなかったので、ミドルハイクラスながらお手頃価格で不便なく使えてそこそこ写真が綺麗に撮れればいいやというくらいの考えで11TProを購入した。
それから2年が経ち、新機種と比べると相対的に写真のクオリティが下がってきた(撮れる写真に限界がある)ので、カメラ機能に強い新機種の購入を検討してたところ1インチセンサーを含む4眼カメラを搭載し、レンズとイメージ処理をLaicaが担当しているXiaomi14Ultraの国内発売が予告されたので購入を決めたというわけだ。

決してXiaomiフリークというわけではなく、価格と性能のバランスや個人的な趣味がXiaomiと合致したという感じである。

また私自身は動画の撮影を副業的に行っており、写真を撮るのも人よりは好きでフルサイズミラーレスカメラも2台所有しているが、自転車はできるだけ身軽に乗りたいと考えているので一眼カメラを背負って走ることは時々する程度で基本的にはライド中の写真はスマホに頼りたいと思っているユーザー層であることも記載しておきたい。

・サイズ感

Xiaomi14Ultraは少々特殊なスマホでカメラ機能にかなり寄せた造りになっており、本体サイズはiPhone15ProMaxとほぼ同等で、高さ:161.4mm 幅:75.3mm 重量:219.8gとなっている。
つまり最近のスマホにありがちなサイズ感で特別大きいといったことはない。
ただカメラ機能にこだわった造りになっているため、カメラ部分が9.20㎜と他のスマホより厚みがある。

左のXiaomi11Tproはフォトグラフィーキットのケースを装着済みで右のXiaomi11Tproはソフトケースを装着した状態

感覚的には厚みというよりはカメラ部分が出っ張っているという表現の方が合っているかもしれない。
そのため、背中のポケットでの出し入れの際にはレンズ部分が引っ掛かりやすいが、逆に言うと出っ張りがある分段差などで弾んで飛び出してしまうようなことがなく、背中に入っていても安心感がある。
なお画面サイズは6.73インチと本体サイズの割には大型で見やすい。

左がXiaomi14Ultraで右が今まで使用していたXiaomi11Tpro

・付属品の存在と実際の運用の特殊性

前項でも述べた通りXiaomi14Ultraはカメラ機能にかなりこだわっており、本体を購入すると本体とは別にフォトグラフィーキットというオプションが付属する。
中国本土では2万円程度するオプションなのだが、日本では本体を購入すると無償で付属している。

Xiaomi14Ultraとフォトグラフィーキット

このフォトグラフィーキットはレンズを保護するリングやカメラグリップで構成されており、スマホをコンデジの様な見た目と機能に変えることができる、いわゆるトランスフォームキットの様なものだ。
キットを装着するしないでカメラ機能に何か差が出るわけではないのだが、カメラでの撮影が好きな人にとっては非常に便利で、私も基本的にはフォトグラフィーキットを装着したままにしていることが多い。

ワンタッチで脱着可能なカメラグリップは装着するとスマホをカメラのような見た目に変える

このキットを装着すると厚みと重さが増すことになるのだが、コンデジとスマホを同時に持ち出すことを考えればむしろ軽量化といえる。

フォトグラフィーキットとレンズプロテクターを装着するとボリューム感がある

もちろん前述のとおりフォトグラフィーキットが無くても、カメラ機能の制限などがあるわけではないのでシンプルにスマホのみで撮影することも可能だ。
この辺りは撮影することへの満足感の様な自己満足の世界といえるかもしれない。
ちなみに背中のポケットに入れると素の状態よりも存在感が増すが、変に重さを感じたりジャージが無理に引っ張られるようなことはない。

フォトグラフィーキット+67㎜のKenkoPRO1Dレンズプロテクターを装着した重量は347g

またフォトグラフィーキットのメリットは自己満足だけではない。
キットに付属するフィルターアダプターを使用することで67㎜径の各種フィルターを使用できるようになり、今までのスマホでは物理的に難しかった流し撮り等も可能になるので、撮影者の腕によってはかなり面白い写真が撮れるはずだ。

私はこのフィルターアダプターにレンズプロテクターを付けっぱなしにすることでレンズの割れや傷付きを防止している。
また、レンズプロテクターを装着するとグリップとレンズの高さが同一になるので、テーブルなどに置いた際に非常に安定するという副次的なメリットもある。

カメラグリップとアダプタ+レンズプロテクターを付けるとぴったり水平になる

さらにカメラグリップにはストラップホールがついているので、既存のカメラストラップを装着することが可能だ。
これによって首からぶら下げたり、ショルダー掛けすることも可能になり、カメラを出し入れするわずらわしさから解放されたり、不意の落下を防いだりすることができる。
なおフォトグラフィーキットにはハンドストラップが付属しており、手がふさがっている時にハンドルにスマホをさげたり、手持ちの安定感を高めたりする際に便利だ。

カメラグリップはフォトグラフィーキットに付属するケースにのみ対応する

・実写レビュー

さて、ここまで長々とスマホ本体の説明に終始してきたが、実際に撮影した写真を観ながらこのスマホの神髄ともいえるそれぞれのカメラについて紹介していこう。
Xiaomi14Ultraには12㎜の超広角、23㎜の広角標準、75㎜の望遠、120㎜の超望遠レンズカメラが搭載されており、それぞれのカメラで撮った写真と共に性能も紹介したいと思う。
なおここで掲載する写真はすべてLaicaオーセンティックカラーでの撮って出し(撮ったままで無加工ということ)だ。
ブログ掲載にあたってリサイズのみ行っている。




・12㎜超広角カメラ

ソニーのIMX858イメージセンサーを使用しており、12㎜の超広角で撮影ができる。
広い範囲で風景を撮影したい場合や見上げるようなアングルの撮影に向いている。

・23㎜広角カメラ

Xiaomi14UltraのメインカメラでこのカメラのみソニーのLYT-900 1インチセンサーと可変絞り機能を採用しており、まるで一眼カメラで撮影したような写真や動画が撮影できる。
23㎜と使いやすい画角なので、スナップ写真や風景、食べ物などあらゆる撮影に使用できる。
ただし接写にはそれほど強くないので、マクロ撮影や食べ物の接写に関しては後述する75㎜の使用が向いている。

可変絞り機能を搭載していることでボケ感を自在にコントロールすることができる。
またXiaomi14Ultraのすべてのカメラに共通して言えることだが、デジタルやAI処理ではなく物理的にレンズによるボケが発生するので、スマホの写真にありがちなホイールのスポークや細い線の様な対象物が消えてしまうといった不自然な写真にならず綺麗に背景だけがボケてくれる。
さらに可変絞りによって光源からの光芒を写すことが可能になっている。

また1インチというスマホとしては大きなセンサーと相まって夕方から夜間の撮影も非常に楽しい。
場所柄夜景と自転車の様なツーショットは撮影ができないが、都心部に住んでいる人は購入した暁にはぜひ試してみてほしい。

・75㎜望遠カメラ

超広角と同様にソニーのIMX858イメージセンサーを使用しており、接写やポートレート撮影に非常に強いカメラだ。
個人的には23㎜のメインカメラよりも使用頻度が高い。

解像感が高く、道端で自転車に跨ったままでちょっと寄りの写真を撮りたい時などに重宝する。
またライドの際に寄ったカフェでの食事はもちろん、道端の花や自転車のパーツ撮り等にも非常に便利だ。

・120㎜超望遠カメラ

こちらも超広角と同様にソニーのIMX858イメージセンサーを使用しており、ライド中に出会った動物や圧縮効果を狙った撮影をする時に便利なカメラだ。
ペリスコープと呼ばれる少し特殊な構造の望遠レンズなのでよく見ると玉ボケが四角形になるという特性があるが、この辺の知識がない方には気にする必要のない情報かもしれない。

野生動物などは近くに寄ると逃げてしまい、スマホのカメラでの撮影はうまくいかないことが多いが、このカメラなら逃げてしまうような至近まで近づく必要がないためそういった写真を撮ることも可能だ。
また一般的なスマホに搭載されているズーム機能は切り出した写真をデジタル処理して可能な限り綺麗に見せているが、このカメラの場合レンズによって拡大しているので切り出して拡大するのと違って画像劣化がない点は大きな違いと言える。

フォトグラフィーキットを装着している時はシャッターボタンを長押しすることで1秒以下でカメラの起動が可能なのでシャッターチャンスにも強い




・その他

上記の通りカメラは十分に優れているが、それ以外のポイントでサイクリストに嬉しい機能を紹介したい。

・90W充電

Xiaomiといえば「神ジューデン」でおなじみの超高速充電が売りだ。
120W充電のモデルもある中で最上位機種のXiaomi14Ultraは90W充電と少々物足りなく感じるが、それでも0%から100%まで33分で充電が可能だ。(バッテリー保護の観点から90Wに抑制されているとのこと)
多くの人は寝る前にスマホを充電ケーブルに接続すると思うが、Xiaomi14Ultraなら起床してから自転車に乗るまでに十分に充電が完了する。
iPhoneの30W急速充電がかわいく見えるレベルだ。
ちなみに90W充電には専用の充電器とケーブルが必要になるが、これは付属しているので安心してほしい。

・バッテリー内蔵のカメラグリップ

実はカメラグリップには1450mAh(定格950mAh)のバッテリーが内蔵されており、カメラグリップを装着することでスマホへの給電が可能だ。
グリップに搭載されているバッテリー分で本体の20%~25%程度を賄える。
サイクリスト的に言えば、スペシャライズドのE-bike CREOのエクストラバッテリーの様なシステムだ。
すでにレビューなどを調べている人にとってはXiaomi14Ultraのバッテリー持ちが悪いという話は聞こえてきているはずだ。
確かに新品で比較的大型のスマホとしてはバッテリー持ちが良いという部類のスマホではないが、気になるほどかと言われるとそうは思わない。
ざっくりだが使用している所感として、カメラグリップを使わずにライドに出かけて家を出てから帰ってくるまで7時間掛かったとしよう。
ライド中は写真を100枚位撮って常時Spotifyなどのアプリで音楽を聴いて、家に帰ってきたらバッテリーが50%台になっているという感じだ。
バッテリー消費が大きくなるのはカメラを起動している時で、それ以外は他のスマホと大きな違いは感じない。
だからカメラグリップが無くても問題はないのだが、スマホのバッテリーを常に心配してしまう現代人にとっては、あれば精神的により安心できるというところだろう。
カメラの消費電力が少々大きいので、その分を補完するのがカメラグリップだと思ってもらえば間違いないだろう。
もっとも個人的にはカメラグリップは写真を撮る際の満足感として、もはやなくてはならない存在になっているのだが。

・24か月保証と画面割れ保証

Xiaomi14Ultraには一般的な故障に対する24か月の無償修理保証と、購入から6か月の間に起きた画面の破損は無償で修理してくれる保証が付帯している。
24か月の修理保証に関しては落下などの破損は対象とはならないものの、画面割れに関しては落下などにも対応している。
スマホを変えると最初のうちはサイズ感や質感の違いからか手になじまずに落としてしまうようなこともあるが、そういった保証があるのは嬉しいところだ。
特にサイクリスト的には背中のポケットから取り出すタイミングでスマホを落としたことがあるという人も多いのではないだろうか。
そして落とした時に限ってなぜか画面が下に向いた状態で落ちて、さらに最悪なことにそこに石があったりするともう目も当てられない笑
そういう意味でもこういったインシュランス的な万が一に備えた保証が付属するのはありがたい。

・動画機能もレベルが高い

ここまで写真の話しかしてこなかったが、動画もめちゃくちゃ高クオリティで撮影できる。
ライド中は動画を撮影することも多いと思うが、そういったニーズにも十分対応できる。
作例はもはやYoutubeにたくさん出ているのでそちらで確認してほしいが、手振れ補正なども一昔前と比べると段違いだ。
専門的な話になるがメインカメラに関してはLogの10bit 4K60fps撮影に対応しリアルタイムでLUTをあてることも可能になっている。

・まとめ

長々と書いてしまったが、まとめると下記のようなサイクリストにとっては最強のカメラスマホ(もはやスマホカメラではない)となるだろう。

・写真は好きだが、重い機材は持ちたくない
・スマホでスマホを超える様な綺麗な写真を撮りたい
・AI処理の写真に違和感を感じる
・カメラのように持って撮影したい
・新しいガジェットが好き

20万円という金額はスマホを購入するには少々高額だ。
軽量のカーボンホイールやカーボンフレームを買えてしまう値段であり、サイクリスト的には大いに悩む金額だろう。
しかし、実際に買った私には断言できる。
「このスマホは写真にこだわりたいサイクリストにとって最強であり、買いである」と。