【買ってよかったモノ】iGPSPORT iGS630サイクルコンピューター

今回紹介するのは、2022年4月に発売されたiGPSPORTのiGS630というサイクルコンピューターだ。
現状サイクルコンピューター(以下サイコン)はLEZYNEのMEGAXLGPSというサイコンを使用しているが、自転車が増えてきたこともあってサイコンも増やそうと思い購入に至った。
ちなみに本記事は案件ではなく、必要に迫られて買った実費レビューだ。
では実際に買ってみてどうだったかについて解説していこう。

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結論

今回は先に結論を書くが、このサイコンは中華メーカーにアレルギーがない限り買って損はない。
なお私が購入のために求めた条件は下記の通りだ。

・30時間以上の長時間稼働
・みちびき対応
・大きな画面
・各種パワー表示
・STRAVA同期可能
・既存のMEGAXLGPSと同程度の予算(25,000円)
・国内代理店有り

もし同じような条件を持ちながらサイコンを検討しているなら、即購入をお勧めする。
というのも現在自転車製品は急激な円安、コロナ、製品原価上昇、半導体不足などに伴い大幅な値上げが行われており、iGS630も今後値上げがないとは言えないからだ。
9月にも各種製品が値上げ予告されているので、もしかするとiGS630も対象になる可能性はあるだろう。

コスパモンスター

まずこのサイコンiGS630を語る上で外せないのは、価格がとんでもなく安いということだ。
iGS630が競合としているのはBrytonRider750やGarminEdge530だと思われるが、下記の通り競合製品よりも圧倒的に安い。

iGPS iGS630  :¥27,280‐

BrytonRider750:¥32,780‐

GarminEdge530 :¥52,800‐

Rider750は販売から時間が経っていることもあり記事を書いている時点で26,000円程度で購入できるようになっているが、iGS630も実売は24,500円とまだiGS630の方が安い状態だ。
Edge530に至っては先日値上がりした影響もあり倍近い価格差となっている。
最近は各種製品の値上がりが相次いでいるため、販売中のサイコンの中では機能の割にかなりお手頃と言って良いだろう。

・機能について

次に気になるのは機能面だ。
値段は安いけど、出来ることが少なかったら意味はない。
しかしiGS630ではEdge530と比べても出来ることは大きく変わらない。
下記は簡単に機能をまとめたものだ。

・出来ること/出来ないこと

まずはiGS630の仕様をまとめてみた。

画面:240×400 2.8インチカラーディスプレイ(タッチ非対応)
重量:90g
稼働時間:35時間
表示データ数:100以上
センサーとの通信方式:ANT+、Bluetooth
GPS性能:みちびき含めすべて対応
パワーメーター対応:○
マップ:○
ルートナビ:○
電動変速システム:シマノ/カンパニョーロ/SRAM
アプリ対応:STRAVA、Training Peaks

その他の機能については下記サイトを確認していただきたい。
https://www.igpsport.com/ja/igs630-highlights
ちなみにサイトには書かれていないが、各指標は3sや10sの平均表示もできる。

次は競合製品との比較だ。
3製品を比較するとそれぞれの特徴が分かり、それに合わせてユーザーは製品を選択すればよい。

画面サイズはEdgeのみ0.2インチ小さいがこの差は実際に見ると結構差がある。(参考サイト
タッチパネルについては好みの分かれるところだろが、必要な人はRider750一択となる。
逆に長い稼働時間が欲しい人はiGS630一択だ。
バッテリーの稼働時間は買ったばかりの時より、ある程度使ってバッテリーが劣化してきた時こそ差が出やすいので、その点も考慮しておくと良いだろう。
Garminは機能的には現状最強のサイコンだが、バッテリー持ちだけはユーザーの評判はよろしくない。
なおiGS630はインターフェースがUSB-Cになっているのもうれしいポイントだ。
またEdge530は唯一ゼンリンの地図データが導入されており見やすいマップデータが特徴だが、更新には2万円近い費用が発生するため更新は現実的ではない。(その前に買い替えることになると思うが。。)
一方でiGS630とRider750はオープンソースマップで、見やすさはゼンリンには劣るものの、無料で最新の地図データを利用可能だ。(iGS630はメーカーにて定期的にマップデータを提供)
Edge530が唯一大きく性能差をつけているのは、ペダリングパワーフェーズを表示できる点だ。
この機能が欲しい人はEdge530を選択するしかない。

これ以外にも機能差は各製品ごとにあるのだが、正直なところ機能が盛沢山すぎて多くのユーザーは使わない機能もあると思うので、もしここに乗っていない機能が必要な場合には各サイトにて比較してほしい。
iGS630:https://www.igpsport.com/ja/igs630-highlights
Rider750:https://www.brytonsport.com/#/R750
Edge530:https://www.garmin.co.jp/products/intosports/edge-530/#featureTab


付属のガラスフィルムは貼った状態

・インプレッション

スペックが良くても動きがもっさりしていたり、アプリとの相性が悪いようでは大きなストレスになる。
仕様やスペックからは見えてこない実際に使ってみてどうかという点について話していこう。

・実際に使ってみての最初の感想

先に言っておくと、使用上での不都合はほとんどなく快適だ。
というのも、どうやら製品発売から私が買うまでの期間で当初のナビや表示の不具合個所はかなり修正されていたようだ。
現在も毎月アップデートが行われているので、今後も使いやすくなっていくだろう。
またアップデートに伴い機能の追加もあるようなので、今後にも期待できる(Variaレーダーはアップデートで対応された)
マウントはGarmin互換なので、現状Garminマウントを使用していればそのまま装着できる。
なおマウントの成型にGarminと若干の差があるのか、嵌めづらい時があるので落としたりしないように注意してほしい。


他機種と同様に各種データをスマホと連携可能

・買って最初にやること

サイコンを起動すると自身のプロフィール設定とタイムゾーンのマニュアル設定が必要になる。
タイムゾーン設定については説明書を見ても分かりづらかったのだが、どうやらプラス9時間に設定しておけば良いようだ。
また設定しても時間はずれたままなのだが、GPS信号を掴むと勝手に補正されるのでさほど気にしなくても問題はないようだ。
ちなみにGPSの補足は非常に早く、建物に囲まれたような場所でも10秒程度、窓際であれば室内でも補足してくれる。
それから中華製品特有のサービスと言えるかもしれないが、他社なら1000円以上するオプションのガラスフィルムが付属品として添付されている。
画面に傷をつける前に忘れずに貼っておこう。

・アプリについて

アプリは専用の「iGPSPORT」をスマホにインストールしてサイコンと同期するスタイルだ。
スマホとサイコンの同期は非常にスムーズで、一度ペアリングしてしまえばサイコンの電源が入っている限りは自動接続でデータアップロード等が可能だ。
既存で使用しているLEZYNEだと接続しようとすると手動での操作が必要で、少々不便に感じていたところだったが、その点が見事に解消されておりライド後の手間がゼロになったのは嬉しいポイントだ。
なお、知り合いが使用しているGarminEgde530での操作を見ているとGarminアプリと比較しても接続はスムーズだと思うし、ライドログのアップデートも高速だった。

ちなみにナビを使用する際はアプリでルートを作成できるほか、GPXやTCXファイルがあれば直接アップロードすることもできるので使いやすい。
またマップデータはすでにインストールされており転送などの必要はない。
一点だけ使用にあたって問題が生じたのがファームウェアのアップデートだった。
私はXiaomi 11TProというスマホを使用しているが、サイコンの最新ファームウェアへのアップデートが連続で失敗するような現象に遭遇した。
最終的にはスマホとサイコンの電源を入れ直してBluetooth接続を解除して接続し直すことで解消できた。
同じような現象に遭遇した場合は試してみてほしい。

8月に行った北海道でナビ機能を使用する機会があったので、知り合いのEdge530とルート転送のスピードを比較してみたが、50㎞のルートを転送するのにEdge530(iphone使用)が1分20秒に対して、iGP630では15秒と転送スピードにはかなりの差があった。

・操作感について

つい画面が大きくてタッチしたくなるが、操作はすべてボタンで行う。
他メーカーのサイコンを使っていたユーザーにとっては最初は戸惑うポイントかもしれないが、ボタン操作の割には説明書などは見なくても直感的に使えるような設計なので、すぐに慣れるはずだ。
今のところナビとライドモードしか使用したことがないのだが、ライドモードでは表示項目を自由に選べるので自分に必要な項目をページにまとめておけば、ライド中はそのページを表示しておくだけで良い。
またページの自動戻り機能をONにしておけば、どのページからも10秒でデフォルトに設定したホーム画面に戻してくれるので、走行中の操作を減らして運転に集中できる。
Di2と連携すれば、STIのファンクションボタンをページ送り等に割り当てることができるので、より便利に利用できるだろう。
ちなみに私がiGS630と接続しているのはパワーメーター(SpeedPlay PowerLink)と心拍センサー(WahooTickr)だけでスピードセンサーは使用していないのだが、iGS630には何キロで開始/停止をするかという自動開始/停止の設定項目があり、自分が意図するスピードでの記録開始/停止が可能となっているので、より正確に走行時間を取得できるように1㎞/hで設定してみたが、現状では正確に機能してくれているようだ。

・ナビモードについて

ナビモードを使用してみると地図は比較的見やすく名前のついている道については表示もしてくれるので、走っていて実際のルートと照らし合わせることも容易だ。
また3段階で地図の縮尺を変更できるので、ユーザーの好みに合わせることができる。

なおデフォルトでは曲がり角等のルートが分岐するポイントでナビの縮尺が自動で拡大するモードになっているが、距離感が分かりづらくなるので慣れないようならOFFにしておくことをおススメする。
なおナビモード以外を表示していても分岐方向や分岐までの距離は重ねて表示されるので、常にナビモードを表示しておかなくても心配はない。

・iClimbについて

iClimbとはGarminでいうところのClimbProのことで、コース上の坂道に残りどれくらいの距離と標高があるかを表示してくれる。
これはある程度登りのある坂道が来ると自動で表示され、文字情報だけでなく坂道の傾斜断面図も表示される。
登りのどの区間で勾配がきつくなってどこで緩くなるかを視覚的に確認できるので、パワーをセーブしたり最後まで出し切って走るといった計画的な走行が可能になる。
初めてのルートでどれくらい坂が続くか分からずに撃沈してしまった経験があるような人にはかなり有用な機能といえるだろう。

公式サイトによると、iClimb判定目安として、①クライムの距離が500m以上 ②平均勾配が3%以上 という条件を満たしている必要があるとのこと。
詳しい使い方は公式サイトが分かりやすいので参照してほしい。

・最後に

iGS630を購入したのがこの記事を書いている1週間ほど前で、まだまだ初心者ユーザーであるが、それでもiGS630は期待通りの性能を発揮してくれている。
大画面のカラー液晶でナビも使えて長時間駆動できて2万円台というだけでも買いだが、最近のトレンドとなる位置情報のシェアやクライム機能も押さえており「お値段以上」といえるだろう。
引き続き追加できる情報は更新していこうと思うが、もし検討しているという人はとりあえず値上がりする前に注文しておいて良いだろう。