今回紹介するのは、山梨県と静岡県を繋ぐ安倍峠の山梨県側のルートについてだ。
安倍峠は、南アルプスの南東に位置する峠で、山梨県と静岡県を繋ぐ車道峠としては、最も北に位置する。
冬季は冬季通行止め(県営林道通行規制情報)となるので、登れる期間の限られるレアな峠と言えるだろう。
なお静岡側の登りについては、下記を参照いただきたい。
・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★★★☆☆
景観: ★★★★★☆☆☆☆☆
路面状況:★★★☆☆☆☆☆☆☆
距離
17.4km
最大標高差
1214m
平均斜度
全体:6.9%
上り:8%
下り:3.8%
獲得標高
上り:1237m
下り:36m
・補給ポイントについて
スタート地点は、国道52号線から分岐する大城入口交差点からとする。
ゴール地点までは17.4㎞と比較的長いので、補給についてはしっかりと事前に準備しておきたい。
・ラストコンビニ
コンビニは、交差点そばにローソンが存在している。
飲食スペースもあるので、事前の補給は問題ないだろう。
・ラスト自販機
自販機はスタート直後にある物が最後となるので、注意が必要だ。
山梨側はおろか、静岡側に下っても梅ヶ島温泉まで行かなければ自販機は存在しない。
また、飲用可能な湧き水などもコース上には確認できなかったので、水分だけは十分に携行しよう。
・実走レビュー
スタートして最初の4.7㎞程は、4%前後の緩い登りとなる。
この区間でしっかり脚を温めておきたい。
所々勾配はきつくなるが、短いポイントだけので心配は無用だ。
川沿いを進んでいき、4.7㎞地点まで来るとぐっと勾配が上がることが分かる。
ここからは、2㎞に渡って平均10%弱の坂となる。
きつい2㎞区間を進んで来ると一旦勾配が緩むので、短い距離だがここで脚を休ませよう。
林道のゲートが見えてきたら、ここから頂上までの10㎞区間で平均8.5%の登りが続くので、覚悟しておこう。
頂上までの区間は、一つの沢を何度も橋を渡って横切りながら登っていくルートになっており、急カーブを何度も曲がりながら登っていくことになる。
山側に景色が開けるポイントでは、頭上高くに繋がる道が見えるので、あそこまで登るのかという気持ちになるかもしれない。
実際に登ってみると、平均勾配に対してはきつい箇所と緩む箇所が連続して交互にやって来る。
区間によっては登りが長く続くこともあるが、その場合は勾配の緩む区間も長めだ。
カーブでは13%程度まで勾配が上がる箇所もあり、勾配変化が大きくなりやすいので、上手くダンシング等駆使しながら登ると良いだろう。
また所々で見ることのできる滝は、音と水の落ちる様子が気持ちいい。
特に足つき無しでの登坂を考えなければ、休憩ポイントとして利用すると良い。
最初の林道ゲートから5km進んでくると、12㎞地点に大きめの橋が現れる。
ここまで来れば、残りは約5㎞となる。
また、標高としては丁度1000mを超えた辺りだ。
左側に東屋が見えてくると、残りは1.5㎞程だ。
ただこの前後区間は10%超が続くので、辛い区間でもある。
林道ゲートが現れると残りは700m程だが、その先もきつめの登りが続いている。
もしタイムを狙う場合には、ここでタレないように気を付けよう。
林道開通記念の石碑が見れば、頂上はすぐそこだ。
・頂上施設について
頂上を表すものは、特にこれと言って存在していない。
そのまま反対側に下って行ってしまう。
なお腰を下ろして休憩するなら、静岡側に少し下ったところに小さめの駐車場があるのでそこが良いだろう。
・路面状況について
路面は、勾配がきつくなる辺りから悪くなり、落石の跡なども至る所に見られる。
落石で割れた岩は鋭く、カットパンクを誘発するので、できるだけ避けるように走行しよう。
またいくつかの橋の上では特に路面状態が悪いので、下りでの落車などには注意しよう。
・その他
この峠は中盤区間に距離の目安にする物がないので、残り距離の把握が難しい。
距離も長く勾配もきつめなので、サイクルコンピューターでしっかりと残り距離を把握して、体力を調整しよう。
見晴らしがよくなる所以外、携帯は圏外となる。
自動車の往来も多くないので、怪我やバイクのトラブルにも十分注意したい。
また、人通りが少ないことから野生動物も多い。
いきなり飛び出してくるので、パニックブレーキにならないよう注意しよう。