中部地区には「西の二ノ瀬、東の雨沢」と呼ばれる2大峠がある。
それぞれの峠は標高や距離が近しく、うまく東端西端に位置していることからこのように呼ばれるようになったようだ。
どちらの峠も標高は500m程度で、練習にはちょうど良いコースになっており、中部地区の強豪チームやプロ選手も練習に訪れる峠となっている。
(雨沢峠・自転車で検索すれば、筧五郎選手などその手の方の鬼の様なタイムのブログが出てくる)
今回はその片翼を担う雨沢峠について紹介しよう。
雨沢峠の標準タイムは20分となっており、20分を切れば「そこそこ速いですね」という扱いだ。
イメージ的にはヤビツ峠の40分切りと似た感じだ。
STRAVAなどを見ると、とんでもないタイムをただき出している猛者がわんさかおり、それだけ練習にはちょうど良い峠のようだ。
・峠スペック
坂バカ度:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
景観: ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
路面状況:★★★★★★★★★★
距離
6.3km
最大標高差
335m
平均斜度
全体:5.4%
上り:6.1%
下り:1%
獲得標高
上り:328m
下り:1m
・補給ポイントについて
スタート地点は、上品野の交差点又は上品野口バス停からとなる。
コース全長は6.3㎞と短い。
・ラストコンビニ
ラストコンビニは、スタート地点から700mほど離れたところにあるファミリーマートだ。
このファミマは、自転車ラックや小規模ながらイートインスペースもあるので、便利だ。(コンセントもある)
・ラスト自販機
自販機は、コンビニを過ぎると100mほど進んだところにあるが、コンビニで補給していればわざわざ使うこともないだろう。
ちなみにちゃんとした食事が摂りたいなら少し戻るが道の駅瀬戸しなのがお薦めだ。
自転車ラックやトイレ、食事処も何か所かあるので、便利だ。
自動車で来るならここに自動車を置いていくと良いだろう。(輪行の際は奥の第2駐車場を利用しよう)
・実走レビュー
今回はTT向けの峠なので、説明も20分切りタイムを出すための説明を中心としていきたい。
スタートすると最初は緩やかな登りの直線となる。
最初の1㎞の平均勾配は2.5%と緩いので、できるだけ脚を回してスピードを稼いでおこう。
20分切りを狙う場合にはこの辺は30㎞/hを維持したい。
道路の左右は住宅が立ち並び、瀬戸らしく陶器工場などもある。
自動車や歩行者も多いので、通行には気を配りたい。
上品野のバス停が見えたら1㎞地点だ。
1㎞地点を過ぎて、電光掲示板が見えたら勾配が上がり始める。
その先は700mほど5%弱の勾配が続く。
この辺は25㎞/h前後で進みたいが、あまり頑張るとその先に響くので注意だ。
高速道路の橋脚が見えてきたら、その先500mは10%勾配となるので気を引き締めよう。
なお橋脚の下でスタートから2㎞進んだことになる。
またこの区間は橋脚のあたりが最大勾配かと思いきや、その先が11%程度になる。
また想像よりも長く感じるので、勾配が緩くなるまでは耐えるようにしよう。
そうしないと、タレて集中力が続かなくなる可能性があるので注意だ。
いきなり力を入れ登るのではなく、徐々に出力を増して乗り越えるイメージが良い。
スピードとしては14㎞/h前後をキープしたい。
勾配のきつい区間を乗り越えると、そこから600mほどは2%程度の勾配に落ち着くので、脚と呼吸を整えておこう。
とはいえ緩い勾配はタイムの稼ぎ時なので、脚は常に回しておきたい。
緩い区間は白岩町というバス停から始まり、グルービング舗装が終わるまで続く。
グルービング舗装が終わったあたりで再度勾配は上がりはじめ、その先は600mで平均6%ほどの勾配となる。
途中大きなカーブがあり、その内側は10%ほどになる。
タイムを狙うなら外よりを通りスピードを殺さないようにするのが得策だ。
600m区間を過ぎてると、少しずつ勾配が増いていく。
消防自警団の小屋が見えたらその先は11%の勾配が200mほど続く。
距離は長くないので、できるだえ勢いで乗り越えてしまうのが良いが、今後を考えると踏むよりは回すペダリングの方が良い。
左側に石塔が見えてくれば、勾配は緩くなる。
その先に橋があり、ここを12分台で通過できれば20分切りの可能性がある。
13分台だとその先の区間で飛ばす必要があり、なかなか厳しいだろう。
橋を越えて大きなカーブを曲がれば、後半戦のスタートだ。
後半戦は森の中にはいっていくことになり、その入り口に10%の坂が登場する。
距離は長くないので、ダンシングを使って勢いで越えたい。
その先の1.3㎞は岐阜と愛知の県境までくねくねとしたカーブが続き、似たような景色の中を進んでいくことになる。
勾配は大きく変わることはないが、平均で7%ほどになるので、優しくはない。
1.3㎞区間の平均速度は15㎞/h程度をキープしたい。
カーブの内側は場所によって一瞬だが10%になることもある。
この勾配変化が地味に足を削っていく。
またこの区間は路肩がなく道幅が狭いが、国道ということもありトラックなども通る。
走行の際には、できるだけほかの車両の邪魔にならないように注意してほしい。
グルービング舗装が現れれば、概ねこの区間の半分をこなしたことになる。
県境までは600mだが、この区間が結構精神的に辛い。
緩いカーブを2度抜けて、3度目のきついカーブが現れる。
ラスト200mほどは9%前後の勾配となり、最後のカーブだけは10%になる。
県境には電光掲示板があり、県境を示す看板が見える。
(愛知側からはどちらも裏向きだが。。)
20分切りを狙うなら、県境では18分を切っておきたいところだ。
県境を越えると下りになるが、ここで終わりではない。
下りは150mほどと短いが、一旦脚を休めることのできる区間があるのはありがたい。
下り区間の先も登りは緩いので、下りでできるだけ勢いをつけておくと良いだろう。
下りが終われば、ゴールまではちょうど1㎞となる。
下りの先から次の区間の目安となる白鳥神社までは500mほどで、勾配は5%程度が続く。
ちなみに森を抜けると、いきなりのどかな景色が現れ少し心が癒される。
途中三国山への登り口があるが、ここは道なりに直進だ。
白鳥神社が左側に現れたらゴールまでは400mだ。
また神社から200mほどは平坦に近い2%程度の勾配なので、ここはしっかりと脚を回して失速しないようにしよう。
ラスト200mは8%ほどの登りとなるが、ここは最後の力を振り絞ってスパートだ。
ゴール地点には携帯基地局のアンテナがあるので、そこまで全力で走り切ろう。
・頂上施設について
ゴール地点は路側帯があるだけで、峠感は薄い。
日影になっているので夏は涼むことができるが、冬は凍結することもある。
・路面状況について
路面状況は、さすがに国道と言うこともあり良好だ。
それ故に下りでの事故が多発しており、新聞にも取り上げられるほどになっている。
登りで頑張ったら下りはゆっくりと安全に下っていただきたい。
・その他
さて、ここでグルメ情報をお届けしよう。
コースの途中にあった三国山を越えて下っていくと、沖縄カフェやんばるというカフェがあり、ここで名護市出身の店員さんが作る本格的なソーキそばや沖縄そばが食べられる。
ローディも多く訪れる人気店で、ゆっくり疲れをいやすことができるのでお薦めだ。
ただし三国山は結構な勾配の道を登ることになるので、初めて雨沢峠に登る初心者の方や脚に自信がない人は無理に三国山を越えることはお勧めしない。
また1月10日~3月末は、凍結のため雨沢側から三国山への林道は通行止となる。
その場合はお隣の戸越峠を抜けると良い。
とはいえ三国山頂上からの眺望はかなり良く、360度のパノラマを楽しむことができるので、一度は登ることをお薦めしたい。