今回紹介するのは、福井県と岐阜県の県境に位置する冠山峠のヒルクライムルートについてだ。
この峠は福井県と岐阜県の両県から登ることができるものの、岐阜県側から登るためには揖斐川沿いの数キロにもなる長いトンネルを何本も抜ける必要があり、個人的にはお勧めできないため、このブログにおいては福井県側からのヒルクライムルートのみを紹介したいと思う。
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・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★☆☆☆☆
景観: ★★★★★★☆☆☆☆
路面状況:★★★★☆☆☆☆☆☆
距離
21.2km
最大標高差
800m
平均斜度
全体:3.8%
上り:4.7%
下り:0.9%
獲得標高
上り:993m
下り:196m
・補給ポイントについて
スタート地点は、池田町から峠方面へ進んで国道417号線と交差する交差点からとする。
コース全長は21.2㎞と長めだが、峠道自体は後半に集約されている。
・ラストコンビニ
コンビニは、スタート地点付近には存在していない。
池田町内にドラッグストアがあり、ここに食品や飲み物も売っているので、補給に困ることはない。
・ラスト自販機
自販機は、スタートして2.5㎞進んだぬくもり茶屋にあるものが最後となる。
峠区間には水分補給できる区間は存在していないので、不安があれば必ずここまでに補給を済ませておこう。
またこのポイント付近にはそばなどの食事処もいくつかあるので、ヒルクライムが終わってからの食事ポイントとしても活用できそうだ。
・実走レビュー
スタートして最初の8.5㎞ほどは非常に緩やかな勾配区間だ。
道も広く走りやすいので、サイクリング気分で進もう。
8.5㎞地点を過ぎた辺りから少しずつ勾配が上がり始める。
とはいっても3%前後なので、心配するほどではない。
また、所々にトンネルが存在している。
トンネルは数百メートルの長さがあるものもあり、トンネル内は比較的暗い。
後述するが、工事車両が通るので、前後ライトをしっかり点灯させて自車を認識してもらえるようにしよう。
11㎞地点まで来ると、冠山トンネルの工事に出くわす。
このトンネルは2021年に供用される予定とのことで、完成時にはトンネルと旧道(冠山林道)の分かれ道になるだろう。
この工事区間を抜けると、ここから本格的な山道になる。
林道区間の入り口にはゲートがあるので、分かりやすい。
また、林道には1㎞ごとに距離が表示された数字の看板が設置されているので、残り距離の目安にすると良い。
林道ゲートからは丁度10kmということになる。
林道ゲートを越えると最初の200m程は10%の登りとなるものの、その後は緩やかな登りが続く。
最初の2㎞区間は道端の植物が道路にせり出してきているので、道幅が狭い。
また、なにか野生動物が飛び出てきそうな雰囲気もあるので、注意して走行したい。
次の2㎞区間は平均5%とまた勾配が少し上がる。
林道に入ってからは階段式の登りになっているのだが、この区間もそうなっており勾配変化がはっきりしている。
山の斜面に沿って九十九折れになっており、きつい所は10%前後になるが、緩まるところは3%前後だ。
道の途中からは山の上にこれから登って行く道が見える。
ぱっと見は気が滅入りそうな距離に見えるが、案外近いので悲観しないように進もう。
残り6㎞地点からの4㎞の区間も大きな変化なく登って行くことになる。
ただこの辺から見通しが良くなってきて、いままで進んできた道や周りの山々を望むことができるポイントも増える。
また、ガードレールがない区間も増えてくるので、写真を撮るには都合が良い。
ただし、落ちるとそのまま崖下まで落ちてしまう様な場所なので、くれぐれも注意してほしい。
自動車もあまり通らないので、落ちたら助けは望めないだろう。。
2の看板が見えてくれば、残り2㎞だ。
ただし登っていると2の看板は見過ごす可能性が大きい。
というのもこの看板だけ右側に存在しているからだ。
この区間は階段式ではなくなり(階段式の要素が薄れる)、勾配がきつくなるので、勾配がきつい区間が長く続くようになったら残り距離が少ないと思っておいても良いだろう。
最後は道が直線的になり、駐車帯が現れる。
また、その先に林道のゲートが見えてくるので、これが見えたら頂上だ。
・頂上施設について
頂上には冠山峠を表す石碑がある。
また、広めの駐車場になっているので、休憩しやすい。
ただ、時期や時間によっては登山客が多いので、自動車や人との接触には注意したい。
・路面状況について
路面は林道区間に入るまでは2車線で走りやすいが、工事車両が走っているせいかアスファルトのへこみやひび割れが多い。
また、林道区間は道幅が狭くなるほか、落石や湧水などが見られるので走行には注意が必要だ。
・その他
冠山峠がある国道417号線は、現在冠山を貫くトンネル工事が進行しており、2021年にも供用が開始される予定となっている。
供用されれば、冠山峠への交通量が少なくなるため、より走りやすい環境になるかもしれない。
ただし、県道へ格下げされると思われるので、保守頻度が減りより路面などが荒れる可能性はある。
また、山岳地帯の中にある峠なので、天候変化も激しい。
季節の変わり目での登坂の際には、装備や天気には気を付けたほうが良い。