#253 しらびそ高原でヒルクライム!下栗の里経由でアクセスしてみよう!

今回紹介するのは、長野県の南部に位置する、しらびそ高原の下栗の里側からのヒルクライムルートについてだ。
しらびそ高原は、南アルプス、北アルプス、中央アルプスまで望むことができる屈指の景観で知られている。
またその立地は、本州にあるにも関わらずアクセスがしづらく、自転車乗りにとってはなかなか行くことのできない環境だと言えるだろう。(交通情報リンクについては、その他の項を参照)
アクセスとしては、静岡県又は飯田方面、大鹿村方面からとなるが、どれをとっても峠を越えてくる必要がある上、地盤の関係から大鹿村方面から抜ける地蔵峠は時々通行止めとなることがある。
また飯田方面からは、自動車であればバイパスを利用できるものの、自転車となると旧道を通り真っ暗な長い赤石隧道というトンネルを抜ける必要があり、お薦めはできない。
静岡県からのルートは路面こそ比較的綺麗に整備されているが、長い山道を抜けてくる必要がある。
このようにしらびそ高原に登るためだけでも、それなりの事前準備が必要だということが理解できるだろう。
では、そのしらびそ高原自体はどんなルートになっているのか、これから説明していきたいと思う。

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・峠スペック

坂バカ度:★★★★★★★★★☆
景観:  ★★★★★★★☆☆☆
路面状況:★★★★★★☆☆☆☆

距離
20.9km
最大標高差
1349m
平均斜度
全体:6.4%
上り:8.3%
下り:3.7%
獲得標高
上り:1384m
下り:42m

・補給ポイントについて

スタート地点は、国道152号線沿いの上村小学校横の交差点からとする。
しらびそ高原までは、20㎞超のヒルクライムルートだ。
前述したように自走でここに到達するのは、なかなかハードだ。

・ラストコンビニ

山中のため、コンビニは存在しない。
事前に補給食は準備しておこう。
とはいえ、スタート地点の上村集落には商店も存在するので、早朝や夜間を除けば食料は手に入れることができる。

・ラスト自販機

自販機は、道中にある下栗の里にあるものが最後だ。
下栗の里まで来る途中には湧水もあるので、水分補給は問題ないだろう。

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・実走レビュー

登り始めてすぐに勾配はきつくなる。
最初の1㎞こそ8%程度の平均勾配だが、その後4㎞地点までは平均11%にもなる登りが3㎞に渡って続く。

途中に命水一本木という湧き水があるので、必要に応じて汲んでいこう。
水はとても冷たく美味しいので、下ってきてから頂戴するのもいいだろう。

平均は11%だが、コーナーの内側では20%近くなることもあるので、スピードが死なないようにコース取りには気を付けたい。

勾配のきつい区間を抜けると、一転して勾配の緩い区間が3㎞弱に渡って続く。
きつい区間で使ってしまった脚と上がってしまった心拍は、この区間で戻しておこう。
なおこの区間は、道路が山の壁面に沿うように造られており、南アルプスの山々を一望できるので、とても気持ちが良い。

集落が見えてくると、勾配は再度厳しくなる。
ここからは9㎞地点過ぎにある道路分岐まで、平均10%の坂が続くことになる。

集落内は道が入り組んでいるが、看板に沿って進んでいけば迷うことはない。
カーブの度に勾配は15%程度まで上がるので、脚へのダメージが大きい。

途中下栗の里を通過するが、ここが自販機と食事処の最終ポイントとなる。
美味しいそばが食べられるので、帰りに食事をするのもいいだろう。
また、連休だとここまでは自動車も多いので、通行には注意が必要だ。

下栗の里を抜けてからの600m程の区間は平均15%の勾配となる。
周囲は森に覆われているので直射日光を浴びることはないが、高出力を求められるので体温は嫌が応でにも上がっていく。

10%程度まで勾配が緩んでから1㎞弱進むと、分岐に差し掛かる。
この分岐は、登っている左へ進む。

分岐からは2㎞強に渡って平均12%超の登りがつづく。
またこの区間は、遂にコンクリ舗装区間が現れるので、走っていても激坂感を視覚でも感じることができる。
この区間では10%を割るポイントはないので、とにかく耐える走りをするしかない。

因みに集落の入り口から激坂区間の終りまでは5㎞あり、その区間の平均勾配は11%となる。
休めるポイントもほとんどないので、非常にきつい区間だ。

激坂区間を越えると、ここからは一気に勾配が緩み、15㎞地点までの3.5㎞区間は平均6%強の勾配となる。
区間単体で見れば大したことはないが、今までの激坂区間で使った脚を考えると、油断はできない区間だ。

残りが10kmを切ったところから、1㎞ごとにしらびそ高原までの距離が表示された看板があるので、残り距離の参考にすると良いだろう。

また携帯使用可の看板があるのだが、ドコモでも電波はあまり入らないので、過信しすぎないようにしよう。

15㎞地点を過ぎると、勾配は更に緩くなる。
ここからは、しらびそ高原の手前まで5㎞強に渡って2%強の勾配だ。
実際には、アップダウン区間なども含むので、登りだけで見ると3%強程度になる。

途中には御池山隕石クレーターという、山の中に落下した隕石の根拠を示す地形や岩を紹介する看板が立てられ、ちょっとした観光も楽しめる。
クレーター自体はかなり風化してしまっており、想像するような風景を見ることはできないが、太古の現象に想いを馳せるのも楽しい。

しらびそ高原の天の川ロッジが見えてくれば、ゴールは近い。
ロッジまでの最後の400mだけは10%勾配になっているので、最後まで気を抜かずに頑張ろう。

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・頂上施設について

頂上はロッジとキャンプ場になっている。
ロッジでは自販機の他、軽食も提供しているので、頑張ってきたご褒美に景色を見ながらの食事なんていかがだろうか。

・路面状況について

路面自体は、全体を通して大きな問題のある箇所はない。
山中の道路としては快適な部類と言えるだろう。
激坂区間のコンクリート舗装だけは、ひび割れや凹凸があるので、走行には注意してほしい。

・その他

スタート地点から静岡方面に8㎞進んだとところに道の駅遠山郷があり、食事や温泉が利用できる。
自動車で来る場合には、ここからスターとすると良い。
また、今回は地蔵峠方面からのヒルクライムは全面通行止めによって叶わなかった。
この付近の地盤は脆く、雨などによって頻繁に通行止めとなる。
しらびそ高原へのヒルクライムを計画する場合には、事前に情報を収集しておこう。

・道路情報 信州遠山郷