今回は、このマニアックなブログの読者とは対照的な対象となる、これから自転車(ロードバイク)を始めてみたいと思う方へ向けた内容となる。
私も今ではちょっとした坂バカの変態になってしまったが、初めて自転車を買うときは色々とあれやこれやと調べていたものだ。
今では縁あって4台目、5台目の自転車に乗っている。
そんな今までの経験を通して学んだ自転車の買い方と、初心者にお薦めの自転車メーカーを紹介していこう。
(製品情報は記事投稿時点でのものとなります。)
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目次
そもそもロードバイクって何?
今から買おうとしている自転車について、ここで少し理解をしておこう。
一時の自転車ブームで、今街中にはたくさんの自転車が溢れている。
その中でもスポーツ自転車を見かけることは多いだろう。
しかし、スポーツ自転車と一口に言ってもたくさんの種類がある。
大まかに分けると、マウンテンバイク(MTB)、クロスバイク、ロードバイクの3つに分けられる。
マウンテンバイク(MTB)
ごつごつした太いタイヤを履いて、サスペンションを装備する等、悪路面や山岳路を走るために作られた自転車。
MTBの中にも、クロスカントリーやダウンヒルといった種類があるが、今回はMTBとしてまとめさせていただく。
クロスバイク
元々の語源としてはマウンテンバイクとロードバイクをミックス(いいとこ取り)させた自転車を意味する。
多くのクロスバイクは、フラットバー(T字ハンドル)を装備し、細めのタイヤを履いており、舗装路面を軽快に走ることができる。
また乗車姿勢がママチャリに近く、楽な姿勢で漕げるため、サイクリングや買い物等用途を限らず利用できる。
ロードバイク
舗装路面を長時間快適に走ることを目的として作られた自転車。
外見上の特徴としては、ドロップハンドルと呼ばれる競輪の自転車に見られるようなハンドルを装備している。
ちなみに一時期流行したピストバイクは、ドロップハンドルという外見はロードバイクと同じだが、変速機を装備しておらず、固定ギア(脚と車輪が同じように動く)となっており、また別のジャンルの自転車だ。
ロードバイクとクロスバイクどちらが自分に向いている?
この記事を読んでいるあなたは、ロードバイクに興味を持っているとは思うが、まずはサイクリングやダイエットとして初めてみたい、いきなりドロップハンドルは怖いので、できればママチャリと同じような感覚で乗りたいという場合には、クロスバイクから初めて見るのも全然ありだ。
自転車を始めると分かるが、クロスバイクで100㎞走る人も結構いるので、「スポーツ自転車とはこういうもの」というのを理解する上では、良い選択肢だと思う。
逆に、バリバリ走ってみたいや、遠くに行ってみたいということであれば、最初からロードバイクを買うことをお薦めする。
ただし、ロードバイクに乗ってみたいのに、予算が無くてクロスバイクを選ぶということだけはしないでほしい。
このパターンで自転車を買った人は、結局短期間のうちにロードバイクを買い直したり、自転車が続かなかったという悲しい結末が多いからだ。
予算は?
先に申し上げておくと、スポーツ自転車というのは安くない。
クロスバイクでも5~10万円、MTBやロードバイクは安くても10万円、上を見れば100万円オーバーもザラの世界だ。
ママチャリしか買ったことがないと、なぜエンジンも付いていない二輪車がこれほど高いのかと思うかもしれないが、一言で言えば「趣味だから」ということになる。
少し極論だが、財布で例えれば100円均一の財布でもお金を入れることができるが、10万円のブランド財布を使う人もいるのと同じようなものだ。
更に自転車の場合は、軽量化のためにF1や航空機に使われる高品質な金属素材やカーボンを使用したり、軽量化をしつつも耐久性を上げるために、表面に特殊処理を施したりとあの手この手の技術を詰め込んだ結果、高価になっている。(もちろんブランド料もご多分に含まれるが)
最初の1台に掛ける予算は?
とはいえ最初の1台としては、あまり高くなり過ぎない物を買うことをお薦めする。
具体的には10~20万円前後で考えると良いだろう。
なぜこの価格帯をお薦めするのか、理由は下記の通りだ。
-
- 本当に自転車を趣味として続けられるかわからない。
- いきなり高いものを買ってもその良さを理解できない。
- パーツをアップグレードする楽しみがある。
- パーツが豊富で交換が容易。
- コストパフォーマンスが良い。
本当に自転車を趣味として続けられるかわからない
一つ目の理由は少しネガティブかもしれないが、これは趣味としてありがちなことだろう。
勢いで始めてみたけど、向いてなかったということは往々にしてあることだ。
まずは現実的な予算で脚を踏み入れてみて、本格的に嵌った時には次の1台を考えればよい。
また最初の1台と言うのは思い入れも深くなるので、例え次の自転車を買ったとしても大切にできるものだ。
いきなり高いものを買ってもその良さを理解できない
例えば初めてスポーツカーを買うとなった時に、いきなりフェラーリやポルシェを買うだろうか?
もしスポーツカーに乗ったことのない人間が、いきなりフェラーリでサーキットに行って、全開走行はできないだろう。
スポーツ走行ができなければ、その良さを味わうこともできないし、別にフェラーリである必要はない。
それは自転車でも同じことだ。
特に自転車の場合、エンジンは自分なのだから、高いものを買っても速く走ることもできない。(自転車を走らせる筋肉や適正なポジションができていないので、一時的にはスピードが出せても持続できない)
フェラーリに軽自動車のエンジンはさすがに悲しいだろう。
パーツをアップグレードする楽しみがある
これは前述の理由の延長線の話だが、自転車に乗っていくうちに色々な自転車を目にするようになり、パーツを変えたくなったり、乗り込んでポジション(ハンドルの遠さやサドルの高さ等)が変われば、変えたくなるパーツが出てくる。
そうしたときに、ワンランク上のパーツに替えることで、感覚が大きく変わる。(パーツにもよる)
また少しづつパーツを変えていくことは、走るための理由やモチベーションにもなる。
パーツが豊富で交換が容易
これは何を言っているか、最初はわからないかもしれないが、10~20万円の価格帯の自転車を薦める一番のポイントだ。
現在の自転車は、ディレイラー(変速機)とスプロケット(ギア板)の多段化技術の進化が著しく、11速が主流になっている(最新の物では12速化が始まっている)
こうした技術は、最高級グレードのパーツから徐々に普及帯価格のパーツに浸透していくのだが、正に普及帯価格が10~20万円という訳だ。
なので、この価格帯の自転車より安いものを買うと、いざパーツ(特にホイール)を変えようと思った時に互換性が無く、取り付けができなかったリと言うことが起きる。(メーカーによっては対応できる場合もあるが)
そういったことを見越すと、自然とこの価格帯に収まってくるわけだ。
コストパフォーマンスが良い
できるだけ安くて良い物がほしいと思うのは、人間の心理だろう。
そういう人こそ、自転車ならこの価格帯だ。
メーカーはファンを増やすために、手を出しやすい普及価格帯にコストパフォーマンスの良い自転車を投入することが多い。
そのためこの価格帯の自転車は、レースやイベントに参加することも問題ないスペックの自転車になっている。
機材スポーツである自転車は安かろう良かろうは、ほぼ間違いなく存在しないので、残念な想いをしたくないなら、ある程度の予算を考慮しておきたいところだ。
それでも気になる:買ってみて、もし続かなかったら?
もし買ってみて続かなかったらどうしよう。
そう考えると、10万円以上する自転車を購入することにふんぎりがつかないかもしれない。
そうすると、もっと安いロードバイク(又はそれ風の自転車)を購入することを考えるはずだ。
しかしそれは待ってほしい。
今はヤフオクやメルカリという個人売買サイトも気軽に利用できる。
もし続かなかったらそういったところで売却してしまうのも、一つの手だ。
そしてその時は、10~20万円程度の価格普及帯のロードバイクが一番売れやすい。(走行が少なく、年式も新しいならほぼ売れる)
定価5万円程度の自転車よりも売り切れが多いのは、メルカリなどで「ロードバイク」と検索してもらえれば、すぐに確認できるはずだ。
私は自転車業界の回し者ではないが、なぜそれだけの予算を掛けたほうが良いと言っているのかは、10年自転車に乗ってきて様々な人を見ているからだ。(もし自転車業界の回し者なら、中古自転車が出回るようなアドバイスは書かない)
「5万円程度のロードバイクでもちゃんと走れる」というネット記事は多いし、お金をできるだけ掛けたくないという心理から、そういった情報を信用してしまう気持ちも分かるが、それはアフィリエイト記事だからそう書くのだ。
もし5万円でちゃんと走れる自転車があるなら、ネットで情報が拾えるこのご時世、みんなそのロードバイクを買って走っているはずだろう。
しかし実際にその自転車に乗っている人をたくさん見たことがあるだろうか?つまりはそういうことだ。
厳しいことを書くようだが、このページをここまで読んで、(売却するという方法も含めて)予算を掛けて始めてみることに納得できなければ、残念な結果を生むということを断言しておこう。
買う前に知っておきたい基礎知識
先ほど「安かろう良かろう」は存在しないと申し上げたが、それを見抜くために知っておきたい基礎知識を紹介しておこう。
フレームについて
フレームの素材は大きく分けて3種類存在する。
鉄(クロームモリブデン鋼:通称クロモリ)
競技用自転車の創成期から使われてきた最もポピュラーな素材。
粘るような乗り味が特徴で、カーボンが主流になりつつある現在は趣味的な立ち位置になっている。
ビルダー(フレームを作る人)へオーダーするフレームや、装飾が施されたフレームは高価な製品となっている。
アルミ
カーボンが主流となる以前は主流だった素材。
比較的軽量で安価なため、現在は普及価格帯に利用されることが多い。
反応性(漕いだ時の進む感覚)が高いので、シャキシャキした乗り心地が気持ち良い。
ただ振動吸収性が低いため、快適性が低くなりやすい。
しかし、現在ではフレームの製造技術が上がったことで、快適性も兼ね備えた製品も出てきている。
カーボン
カーボン素材の進化と成型技術の普及で、近年安価なモデルが増えて主流になりつつある素材。
カーボンと一口に言っても素材はピンキリなので、注意が必要。
ハイモジュラスカーボン、ウルトラハイモジュラスカーボン、東レT600、T1000等名称も様々