今回紹介するのは、山梨県北西部の韮崎市に位置する甘利山のルートについてだ。
甘利山は山梨県内でもメジャーとは言いづらい山だが、戦国ヒルクライムとしてヒルクライムレースも開催されており、その知名度は高まっている。
甘利山の最大の特徴は、なんと言ってもその平均勾配であり、日本中の峠を登ってきたがここまで急勾配が長く続く道は思い当たらない。
距離こそ大弛峠などには及ばないが、常に強制的に高出力を強いられる登りは、半端な者を容赦なく切り捨てる。
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・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★★★★★
景観: ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
路面状況:★★★★★★☆☆☆☆
距離
12.4km
最大標高差
1221m
平均斜度
全体:9.8%
上り:9.8%
下り:0%
獲得標高
上り:1213m
下り:0m
・補給ポイントについて
スタート地点は、県道12号線の甘利山入り口交差点から甘利山公園線を100m程進んだ交差点からとする。
コース全長は12.4㎞だ。
戦国ヒルクライムの計測区間のスタート地点はもう少し進んだところにあり、STRAVAの計測区間もレースコースで切られているので、タイムを計りたい場合にはここから頑張る必要はない。
レースコース区間は、タイムとしては1時間を切ればそれなりに速い部類に入る。
ちなみに一番速い人では、40分台前半をマークしてくる。
・ラストコンビニ
コンビにはスタート地点そばにはなく、どのコンビニも2㎞程は離れている。
勾配がきつく心拍は高めに推移するので、登坂前は消化の悪い固形物等は控えたほうが良いだろう。
・ラスト自販機
自販機は、スタートして500m程進んだ左側にある物が最後だ。
距離はそれほど長くないが、出力が高く発刊量も多いので、ドリンクの補給は忘れないでおきたい。
・実走レビュー
スタートすると、レースの計測スタート地点となる林道ゲートまで9%程度の勾配となる。
いきなり勾配が厳しく脚と心肺への負担も大きいので、アップをしてから走りだそう。
ゲートを過ぎると、ここから本格的な登りとなる。
ゲートから1㎞程は、平均11%強の直線的なルートだ。
実際には10~13%程度で推移している。
小さな橋が見えたら、ここでスタートから2.5㎞進んできたことになる。
先は長いので、とにかく前半はペースを上げすぎない様に進んでいこう。
感覚的に後半より前半の方が勾配がきついので、前半を無理しすぎるとペースを維持しやすい後半に潰れることになる。
橋を越えると、ここからは九十九折れが続く。
九十九折れと言っても勾配が緩むことはなく、2㎞強の区間で平均11%弱の勾配だ。
カーブ区間はもちろん15%程度になることもあるが、ストレート区間も10%を下回ることがない。
標高800mを過ぎたところから標高を示す看板が現れるので、これを参考にすると良い。
単純に1㎞進めば、100m標高が上がると思って良いだろう。
4.8㎞地点にある栗平というポイントまで来ると、一旦勾配が緩む。
この栗平の150m程の区間だけが、唯一3%程度まで勾配が緩むポイントだ。
これ以外に勾配が緩むポイントはない。
栗平から8㎞過ぎの地点にある椹池までの3㎞強の区間は、勾配が若干緩む。
平均で10%弱なのだが、スタートしてからの5㎞程の区間と比べれば、体感的にも楽だ。
ちなみにこの区間も九十九折れが続くが、この九十九折れはストレート部分の勾配がカーブ区間より緩めになっている。
また椹池手前には公衆トイレがあるので、催した場合には利用すると良いだろう。
椹池を過ぎると、勾配は再度厳しさを増す。
10.5㎞地点までの2.5㎞区間で、平均勾配は10%強だ。
なお椹池からゴール地点までは4.2㎞となる。
この区間は直線的な区間と九十九折れで構成されるが、直線区間では10%を超える長い坂が目の前に現れるので、精神的にきつい部分があるかもしれない。
また後半の九十九折れ区間は勾配がきつめなので、上手くダンシングとシッティングを使い分けて疲労の分散を図るようにしたい。
10.5㎞地点を過ぎると、ゴール地点までの約2㎞区間で9%弱まで勾配が緩む。
とはいえ、ここまで登ってきた脚には相当な疲労がたまっており、勾配が緩んだという感覚はあまりないかもしれない。
また部分的には勾配のきつい部分はあるので、油断はできない。
ちなみにラスト1㎞を過ぎた辺りから、下界の見晴らしが効くようになってくる。
きつくなってきたら景色を見て、少しでも気持ちを紛らわせるのも効果的だ。
(残念ながら私が登った日はかなり霞んでいたが、天気が良いと富士山まで見通せるようだ)
林道ゲートが見えれば頂上だ。
最後までタレないように踏み込んでいきたい。
・頂上施設について
頂上は砂利の駐車場になっている。
全力でゴールに飛び込むとその先が砂利なので、落車などには注意したい。
また、登山客の往来にも注意が必要だ。
ロッジやトイレもあるので、休憩も取りやすいだろう。
・路面状況について
路面は比較的綺麗だが、勾配がキツくカーブも多いのでダウンヒルには注意が必要だ。
登山客の自動車もそれなりに通るので、オーバースピードによる衝突など起こさないようにしよう。
また所々カーブの途中にグレーチングが存在しており、ダウンヒルはもちろんのこと、登りでもウェットコンディションでは滑りやすいので、注意したほうが良い。
・その他
甘利山は、地図を見ると反対側からも登ってこられるような道があるが、実際にはダート区間を含むためロードバイクでの登坂には向かない。
また道が細い割にシーズンによっては自動車も通るので、グラベルロード等で走るにしても注意が必要だ。