今回紹介するのは、山形県と宮城県に跨る蔵王山を横断する、蔵王エコーラインのヒルクライムルートについてだ。
蔵王エコーラインのヒルクライムと言えば、宮城県側からの登坂ルートが有名だが、山形県側からの登りは、宮城県側よりも獲得標高の大きな登りになっており、登りごたえは十分なルートとなっている。
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・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★★★☆☆
景観: ★★★★★★☆☆☆☆
路面状況:★★★★★★★☆☆☆
距離
25.4km
最大標高差
1442m
平均斜度
全体:5.6%
上り:6.1%
下り:2.2%
獲得標高
上り:1439m
下り:14m
・補給ポイントについて
スタート地点は、国道13号からエコーラインへ分岐する交差点からとする。
ゴール地点までの距離は約25㎞とかなりの距離がある。
・ラストコンビニ
コンビニは、スタート地点の交差点にあるセブンイレブンが最後となる。
以降は、飲食店などが点在する程度となるので、補給は怠らないでおきたい。
・ラスト自販機
自販機は、スタートから11㎞地点にある蔵王エコー山荘にあるものが最後だ。
ここまではコース上の所々に自販機が存在しているが、蔵王エコー山荘を過ぎると飲み水は頂上にあるロープウェイ乗り場まで確保できない。
登坂距離が長いので、ボトルの水分を切らさないように注意しよう。
・実走レビュー
スタートして最初の5㎞区間は平均3%強の緩やかな登りとなる。
この区間でしっかりとペースを上げておきたい。
なお、勾配は徐々に上がるので、5㎞地点付近では5%以上の登りになっている。
その先の10㎞地点までの5㎞区間は、平均7%まで勾配が上がる。
平均は7%とそれほどでもないように見えるが、所々で勾配が激しくなる。
特に7㎞地点にある200m程の路面の色が変わる登り坂では、14%程度まで勾配がきつくなる。
一瞬ではあるものの、唐突に現れる激坂なので、脚や心肺への負担は大きい。
その後も10%前後の登りは続くので、前半とはいえ気は抜けない。
このルートは前半の方が勾配がきつい傾向にあるので、前半区間はペースを落とさずに走り、後半に向けて上げていくと良いだろう。
10㎞地点にある猿倉スキー場を過ぎて500m程進むと交差点が現れるので、これを道なりに右に進んでいこう。
ちなみに交差点は2か所あり、ラスト自販機は2度目の交差点を左に10m程入ったところにあるので、登りだと見落とす可能性大だ。
一応、猿倉スキー場にも自販機はあるので、分かりやすいそちらをラスト自販機と考えても良いかもしれない。
交差点を過ぎると一旦勾配は緩むが、すぐに勾配は上がり始める。
15㎞地点にある坊平高原入り口までは平均7%強の登りだ。
この区間は、今までと比べれば勾配は安定しており、体感的には8%前後の勾配が続く区間になっている。
坊平高原前後だけは勾配が緩むので、ここで回復を図っておこう。
坊平高原を抜けると、ここから1.5㎞程は平均8%弱の勾配が続く。
途中にあるスキー場にはレストランがあり、夏でも営業しているようなので、ランチをするには良いかもしれない。
スキー場の脇を抜けると、17㎞地点にゲートが現れる。
このゲートから先は勾配が緩くなる。
普通はきつくなるのだが、蔵王に限っては逆なのだ。
ここから九十九折れの終わる24㎞地点までの7㎞区間は、平均5.8%となる。
この区間は、九十九折れと言っても緩やかなカーブと長い直線で構成されており、勾配変化もそこまで大きくはない。
最大でも8%程度の瞬間的な勾配があるだけで、体感で6%前後の坂が続くことになる。
いままで高い木で覆われてきた道の両側が、低木に変化して頭上が開いてくれば頂上は近い。
最後まで勾配がきつくなることはなく、宮城県の看板が見えてくれば、ゴールとなるロープウェイ乗り場までは500m程だ。
最後まで気を抜かないように走り切ろう。
・頂上施設について
今回のルートで頂上と設定しているロープウェイ乗り場には、自販機の他ちょっとした軽食も販売している。
ただしトイレは水道が使えないので、顔を洗ったりすることはできない。
ロープウェイ乗り場からもう少し進むと、お釜に進む道路が現れるが、自動車専用道(蔵王ハイライン)なので自転車で登る事は出来ない。
自転車で登る方法は、蔵王ヒルクライムか、蔵王坊平ヒルクライムに参加することだ。
・路面状況について
全線2車線で舗装も比較的良好だが、路面には見えづらい凹凸があり、下りはバイクが暴れやすい。
カーブが大きいのでハイスピードでクリアできるが、凹凸でバイクが暴れると反対車線に飛び出す恐れがあるので、注意したい。
また、観光道路として多くの自動車やバス、バイクが通過するので、後続車には注意が必要だ。
・その他
坊平高原には広大なキャンプ場があり、自動車で乗り込めるサイトを一人350円で利用できる。
前日キャンプからのヒルクライムや、ヒルクライム後のキャンプなど、休日を満喫してみてはいかがだろうか。
また、スタート地点の上山市にはたくさんの温泉がある。
昔ながらの公共浴場は、安価に風情ある温泉を楽しめるのでお薦めだ。