今回紹介するのは栃木の北部に位置する那須岳である。
この峠は那須岳ヒルクライムレースや那須高原ロングライド等のイベントでも登場する那須の象徴的な峠である。
・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★★★☆☆
景観: ★★★★★★☆☆☆☆
路面状況:★★★★☆☆☆☆☆☆
距離
13.7km
最大標高差
988m
平均斜度
全体:7.2%
上り:7.2%
下り:0%
獲得標高
上り:978m
下り:0m
・補給ポイントについて
那須岳へのアクセスとしては、都心からは東北新幹線で那須塩原駅まで輪行してから、スタート地点まで自走する方法が良い。
スタート地点は池田の交差点に設定した。
頂上の峠の茶屋までは13.7㎞の道のりだ。
・ラストコンビニ
ラストコンビニはスタートしてから3.5㎞ほど先にあるセブンイレブンになる。
・ラスト自販機
自販機は峠の道沿いに点々としているので水分補給で困ることはないだろう。
ちなみにスタート地点にもセブンイレブンがあり、このセブンイレブンには全国で100店舗ほどしか導入していない、スラーピーというフローズン炭酸飲料がある。
暑い日にはシャリシャリプチプチして最高だ。
・実走レビュー
スタートすると緩やかに登り始め、1㎞ほど先から6%の登りが3㎞ほど続くことになる。
ラストコンビニのセブンイレブンを抜けるとさらに斜度が上がり、那須湯本温泉街までの2.5㎞が平均7%ほどになる。
温泉街を抜けて那須温泉神社を超えるとほんの200mほど下りになるが、これがこの峠唯一の下り区間である。
ちなみにこの地点で約半分を消化したことになるので、ポイントとしてはわかりやすい。
そこからは平均斜度8%で5㎞登っていくことになる。この区間は一定の斜度で登るわけではなく、緩くなる区間も多少は存在する。
この区間が終わると、那須温泉ファミリースキー場が左手に見えてくる。
このスキー場からまた一段と斜度がきつくなり、那須岳ロープウェイ乗り場までの1.5㎞は平均斜度で9.5%となる。
体感的には直線部分で10%、カーブの内側では14%程度まで斜度が上がる。
このロープウェイ乗り場が見えれば、頂上の茶屋までは残り1㎞だ。斜度も若干ではあるが緩み、平均で8%となる。
またこのあたりから眺望も良くなるが、辛いので顔を上げて景色を眺める余裕はないかもしれない。
一方通行の標識が見えてきたら頂上の茶屋はすぐそこだ。
・頂上施設について
頂上の茶屋駐車場からは茶臼岳や旭岳を見ることができる。
また茶屋では軽食や飲み物も買えるので、ゆっくり休むといいだろう。
登れば登るだけきつくなるタイプの峠なので、タイムを狙う場合には、前半に飛ばしすぎず後半に体力をしっかりと残しておく必要がある。(私はコースを把握せずに走り始めて、前半を飛ばしすぎて後半はゾンビモードになってしまった)
特にスキー場を越えてからロープウェイ付近までは、カーブを越えるたびに斜度がきつくなっていくので、今までの登りを考えると体力的にも精神的にもかなり疲弊するはずだ。この後半の登りをどのようにこなすかもポイントとなってくるだろう。
・路面状況について
路面状況は、場所によってはあまりよろしくない。
タイヤがはまるようなアスファルトのひび割れ、道端に砂利や砂の堆積した場所も見られた。
またポットホールの様な窪みもいくつか見られたので、下りの際は景色に気を取られて、これらの場所で落車などということが無いように気を付けてほしい。
現に、那須岳の下りで落車したという報告も耳にしている。
もちろん下りだけではなく、登りでもタイヤがとられることがあったので、十分注意してほしい。
那須岳を地元観光資源としてイベントなどで活用を目指すなら、舗装面はどうにかしてほしいと思うレベルだ。
・その他
私からの提案としては、道沿いに展望台や殺生岩、鹿の湯などいくつも観光スポットがあるので、ダウンヒルを楽しむのではなく、これらの観光を楽しむつもりでゆっくり下ると良いだろう。
特に那須温泉神社では、全国的にも珍しい自転車守(山岳賞をモチーフに赤玉でかわいい)も販売しているので、安全祈願したついでに買い求めると良いだろう。(私も前からサドルにつけて愛用している!)
また那須塩原を降りてすぐのところにハイディアHT&Bというトライアスロンと自転車を扱うショップがあるので、輪行時のトラブル、チューブやタイヤ、補給食などの携行品を忘れた場合には頼りにすると良いだろう。
ちなみにこのショップの店主はトライアスロン界でレジェンドと呼ばれる宮塚氏であるが、誰にでも優しく接してくれる方なので、初心者でも気軽に訪れることができるお店だ。