今回は一旦山から離れて、瀬戸内に浮かぶ江田島とその周りにある能美島、倉橋島について紹介したいと思う。
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・江田島って?
江田島と聞いてもピンとこない方も多いかもしれないので、島について簡単に紹介しておく。
江田島はタイトルからお分かりの通り、広島県呉市の西に位置する島で、隣接する能美島とは陸続きになった瀬戸内海の島だ。(市としては江田島市)
能美島と江田島は元々別の島であり、飛渡瀬と呼ばれる狭い海峡で隔てられていたために、現在は一つの島でありながら2つの島の名前が付いた状態になっている。
また、1888年(明治21年)に海軍兵学校が東京築地から移転して以来、海軍ゆかりの島として認知されている。
・サイクリングルートの例
なぜか獲得標高が2000m近くなっているが、実際には1000m以下なので安心してほしい。
距離
87.8km
最大標高差
975m
平均斜度
全体:0%
上り:6.3%
下り:6.7%
・江田島でサイクリング!
江田島へは呉市街からサイクリングルートが引かれており、車道の青いラインに沿って行くことで、倉橋島、能美島、江田島を回ることができるようになっている。
スタート地点は、倉橋島へ渡る音戸大橋からとする。(写真は第二音戸大橋)
音戸大橋の掛かる海峡は瀬戸の音戸と呼ばれ、瀬戸内銀座と称される瀬戸内海有数の航路、平清盛が開削したという伝説、風光明媚な観光地として知られている。
残念ながら歩道が整備されていないので、できるだけスピーディに抜けたい。
もし不安なら、第二音戸大橋から渡ると良いだろう。(その場合は、少し遠回りになる)
第二音戸大橋からは、呉の港や新日鐵の製鉄所を見ることができる。
倉橋島に渡ってルート沿いに4㎞程進むと、早速海岸線が見えてくる。
さすが広島、牡蠣の養殖をしているいけすが並んでいる。
ところどころ砂浜になっており、夏には泳ぐこともできそうだ。
長閑な景色に癒されることは、間違いないだろう。
スタートから13㎞程走ると、倉橋島から能美島に渡る早瀬大橋が見えてくる。
この橋も歩道はないので、走行には注意したい。
能美島の海もとてもきれいだ。
なお補給は、ちょこちょことコンビニがあるので不安になることはないと思うが、能美島の西側だけはコンビニがないので、不安なら20㎞地点にあるセブンイレブンを利用しておこう。
25㎞地点辺りまで来ると、景色が少し変わる。
石油基地の間を抜けて狭いトンネルを抜けると、作りかけなのか解体途中なのか放置された船が現れる。
冒険のようでワクワクする光景だ。
それを越えた後も、海は相変わらず綺麗だ。
30km地点を越えたあたりで、長めの坂が現れる。
7%前後の坂が1㎞程続くが、登りながらみえる瀬戸内の島々が素敵だ。
登り終わったら、アップダウンしながら4㎞程は下り勾配が続く。
・島でもやっぱりヒルクライム!
でも少し待ってほしい。
余りに坂成分が足りなくはないだろうか?
と思ったそんなあなたにお勧めなのが、37㎞地点に登り口のある砲台山だ。
砲台山は、日露戦争開戦間近、当時軍都であった広島市を当時のロシア・バルチック艦隊から守るために、この山に大砲を設置したことからそう呼ばれており、元の名前は三高山という山だったそうだ。
頂上までの距離は3.4㎞と短いが、平均勾配は9.4%となかなか厳しい構成になっている。
詳しくは説明しないが、坂成分を補給するにはちょうど良い登りと言える。
坂はきついことに違いないが、途中で所々から見える広島湾は美しい。
頂上は何もないが、脇道を入っていくと日本土木遺産として残されている砲台跡を見ることができる。
・江田島に来たら寄っておきたい第1術科学校
山を下りてからは、61㎞地点まで海沿いのサイクリングに戻る。
途中から江田島に入り、61㎞地点まで来ると、江田島が海軍ゆかりの地と呼ばれる海軍学校を利用した海上自衛隊の第1術科学校がある。
第1術科学校は時間さえ合えば、事前の予約なく見学ツアーに参加することができる。
ぜひ立ち寄ってほしいのだが、見学ツアーでは1㎞程歩くことになるので、歩行のできないビンディングシューズでの参加は、残念ながら難しいだろう。
校内は旧海軍時代の校舎を見学できる他、貴重な資料が置かれた資料館に立ち入ることができる。(資料館は写真撮影禁止。)
また、グランドの向こう側に置かれた戦艦陸奥の主砲塔は、その大きさに圧倒される。
来客用の食堂では、海軍カレーを食べることもできる。
昼食時間に合わせるのも良いかもしれない。
・帰りは違うルートもあり!
私が走ったサイクリングルートはここまでで、帰りは違うルートを走ってみた。
たしかにサイクリングルート以外は、路肩が狭かったり交通量が多かったりで走りづらい場所もあり、選定されなかった理由が分かる。
ただ、ルートにはない風景も見ることができたので、もし余裕があれば他のルートを周ってみるのも面白いかもしれない。