今回紹介するのは、群馬県と長野県の県境に位置し、日本の国道で最高標高地点となる渋峠の長野側からのルートについてだ。
自転車で登ることのできる最高地点は主に3つあり、みんな大好き日本の車道最高地点の乗鞍岳、反対側に抜けることのできる峠道の最高標高地点を持つ大弛峠、そして今回紹介する国道最高標高地点の渋峠だ。
ちなみに国道標高で2番目となるのは、こちらも長野県にある麦草峠だ。
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・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★★★★☆
景観: ★★★★★★★★★☆
路面状況:★★★★★★★☆☆☆
距離
26.5km
最大標高差
1592m
平均斜度
全体:6%
上り:6.9%
下り:5.4%
獲得標高
上り:1650m
下り:65m
・補給ポイントについて
スタート地点は、道の駅の北信州やまのうちからとする。
スタート時点で、標高は560m程あるため、中野市街地からは200m弱登ってくる必要がある。
そのため、市街地から自転車で峠の頂上まで行くと、一本で獲得標高は1800mを超えることになる。
道の駅から頂上までのコース全長は、26,5㎞と長い。
なお道の駅まで自動車で来る場合、駐車場がそれほど広くなく営業の邪魔になる可能性があるので、道を挟んだ反対側の駐車スペースに車を置くようにしよう。
・ラストコンビニ
コンビニは、道の駅の向かいにあるセブンイレブンが最後だ。
とにかく距離が長いので、補給は万全に整えておきたい。
・ラスト自販機
自販機は、コース途中の硯川ホテルの向かいにあるリフト乗り場(道路からは少し上がる)にあるものが最後だ。
ここには自販機の他、公衆トイレもあるので、休憩ポイントとして重宝するだろう。
・実走レビュー
スタートして上林温泉までの4㎞強の区間は、平均5%弱の勾配となる。
バイパスの様な道を走る事になり、交通量がそれなりに多く皆飛ばしているので、後続車には注意したい。
とはいえ、路肩はそれなりの広さがあるので、そこまで神経質になる必要もないだろう。
上林温泉を過ぎると、ここから8㎞に渡って平均8%の勾配となる。
特に8㎞地点過ぎからは、10%前後の勾配が続く。
勾配変化は少ないので、淡々と登ることになる。
夏の昼時は、日影も少なくまだ標高がそれほどではないため、かなり暑い。
左側に池が見えてくれば、長い登りは一旦緩むことになる。
ここから1㎞強の区間は勾配が緩いので、脚を休めておくと良いだろう。
再度勾配が上がり始め丸池ホテルが見えてきたら、コースの半分を消化したことになる。
また、ホテルの先の交差点はそのまま直進だ。
交差点から先は、2㎞の区間で平均7%の勾配が待っている。
この区間は登坂車線があるので、登りに集中しやすい。
16㎞地点まで来ると勾配が緩み、再度脚を休めることができるだろう。
短いながら下り区間も存在しており、スピードが出ると風が心地よい。
下ってからの2㎞程の区間は、3%前後の緩い登りだ。
ここから先は登りが続くので、ここまでの区間でできるだけ脚を回復させておこう。
ラスト自販機ポイントの硯川ホテルを過ぎると、再度勾配が上がり始める。
ここからは頂上付近まで6.6㎞の区間で7%弱の登りだ。
最後の登り区間となる6.6㎞区間は、いくつかの勾配区間に分けられる。
硯川ホテルを越えてから、最初の500m程の九十九折れ区間は少し勾配がきつめで、8%程度ある。
なお、所々に標高を示す標識があるので、登りの際の目安にすると体力を調整しやすい。
それを過ぎると、一旦直線区間を含んだ後に九十九折れの区間となる。
この九十九折れ区間は4㎞弱に渡って続く。
勾配は6.5%程で、多少の勾配変化はあるものの、激しく登るようなことはない。
頭上に横手山ドライブインが見えるようになれば、この九十九折れ区間ももう少しで終了だ。
また、九十九折れの直線区間は勾配が緩いので、脚があればスピードアップを図ることも可能だ。
横手山ドライブイン付近は、人や自動車、バイクの出入りが多いので気を付けよう。
ドライブインを過ぎれば、頂上までは1.5㎞だ。
ここからは緩やかなカーブが続く平均7%の登りとなる。
視界が開けて、右手には山の連なりを望むことができる。
こうなると、頂上が近いことを実感できるだろう。
2つ連続したスノーシェードが現れれば、頂上はすぐそこだ。
タイムを狙う場合には、最後のスパートポイントだ。
・頂上施設について
頂上には、建物が県境になっていることで有名な渋峠ホテルがあり、自販機での水分補給のほか食事も可能だ。
写真でよく見る国道最高地点の石碑は、ホテルから500mほど進んだところにある。
渋峠に登ったら、ここはしっかり押さえておきたいポイントだ。
・路面状況について
国道と言うこともあり、比較的良好だ。
ただし交通量が多いためか、細かな凹凸や轍が見られる。
登りは良いが、スピードの出る下りはハンドルが暴れやすいので、スピードの出し過ぎには十分注意が必要だ。
・その他
2019年8月現在、渋峠の群馬県側からの登りは、白根山の噴火の影響で規制されている。
解除は未定となっているので、計画を立てる際は規制状況を確認してほしい。
私が登った当日は、道の駅の地点で気温は35度となっていた。
しかし頂上では19度と、温度変化は非常に激しい。
真夏であれば、夏装備で登っても頂上は涼しい程度で済むが、少し時期がずれるだけでかなり寒さを感じるはずだ。
また天候の変化も激しく、1分単位で雲の状況はめまぐるしく変わる。(写真はトップの晴れている写真から3分後の状況)
下界の気温を目安とせずに、しっかりと下りの防寒装備を整えたい。
スタート地点の道の駅のそばには、湯田中温泉や渋温泉等いくつもの温泉が点在している。
特に個人的に好きなのは、湯田中駅に併設された温泉だ。
温泉の泉質も良く、ホームを改修した休憩スペースからはまじかに電車を眺めることができる。
電車で輪行すれば、ひと風呂浴びてから気持ち良く帰路につくこともできるのでお薦めだ。