今回紹介する峠は、長崎二つ目の1,000m級峠となる仁田峠だ。
仁田峠という名前だけ聞くと、どこだろうと思うかもしれないが、雲仙普賢岳と言えば分かるだろう。
仁田峠にアクセスするルートは少し特殊で、仁田峠がある雲仙ロープウェイの駐車場までは、ある地点から仁田峠循環自動車道路という道路になり、一方通行となる。
そのため、本来仁田峠に登ろうとするといくつかのルートが考えられるが、この仁田峠循環道路に上手く接続できる2つのルートを紹介しようと思う。
今回紹介するのは、県道128号線経由のルートだ。
ただこのルートも実際に地図を見ると分かるのだが、本来仁田峠循環自動車道路に直接接続するのは国道57号線となる。
しかし57号線ルートは観光客の自動車も多く、登りもあまり楽しいものではないため、今回は県道128号線を経由するルートで紹介したいと思う。
・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★★☆☆☆
景観: ★★★★★★☆☆☆☆
路面状況:★★★★★★★★★☆
距離
16km
最大標高差
913m
平均斜度
全体:5.7%
上り:6.5%
下り:2.3%
獲得標高
上り:916m
下り:9m
・補給ポイントについて
スタート地点は、国道57号線と県道128号線が分岐する木場の交差点からとする。
コースの全長は16㎞と少し長めだ。
・ラストコンビニ
スタート地点に近いコンビニは3㎞程離れている。
北に行っても南に行っても、どちらも3㎞程離れたセブンイレブンが最後だ。
・ラスト自販機
自販機は、雲仙温泉の交差点そばにある物が最後だ。
ここまで来ると後半に差し掛かっているが、それより前となるとスタートして700mほど進んだところにある物が最後となる。
・実走レビュー
スタートすると最初の300m弱の区間を除いて、4㎞地点まで勾配は7%強で推移することになる。
森の中というほどではないが、周りは木に囲われているので、眺望は特に望めない。
かと言って、午後にならないと日影はできづらいと思われるので、日影を快適に走れるというほどでもない。
所々で道が狭くなるので、対向車には注意したいところだ。
4㎞地点まで来ると、ここから1.3㎞程は九十九折れが続く。
急カーブではあるが、平均勾配は今までより若干緩むので、こういった区間としては珍しく走りやすい。
1.3km区間を進むと400mほどは直線になる。
この区間はさらに勾配が緩み、5%程度まで落ち着く。
脚がきつければ回復に使っても良い区間だ。
直線を過ぎると、その先は2㎞に渡って再度九十九折れ区間が現れる。
この九十九折れは、なかなかきれいな九十九折れとなっており、下から見上げても、上から見下ろしても眺めが良い区間だ。
人によっては、下から見ると精神的にはつらいかもしれないが。。
振り返れば橘湾を一望することができ、景色としてもなかなか気持ちがいい。
路面も舗装が綺麗なので、登っていて心地よいだろう。
この区間の平均勾配は6%弱だが、カーブの内側はそれよりきつくなっている。
とはいえ、五家原岳の様なことにはならないので、特に問題はないだろう。
九十九折れ区間を越えると、そこから雲仙温泉街までの1㎞は平坦に近い緩い勾配となる。
温泉街の入り口だけ少し登るが、これも8%程度だ。
そのまま丁字路にぶつかるので、左折しよう。
ここからは国道57号線になる。
交通量も増えるので、後続車には注意したい。
丁字路を曲がってから、1.7㎞で仁田峠循環自動車道路の入り口に到達する。
この区間は1.7㎞で平均勾配は5%弱となるが、階段式となっているので、場所によっては10%の勾配が400mほど続くポイントもある。
・仁田峠循環自動車道路
1.7㎞進むと、57号線から分岐(左折)するかたちで仁田峠循環自動車道路が現れる。
そのまま200mほど進むと料金所が現れるので、環境保全協力金100円(任意の金額)を払って進もう。
料金所から頂上までは5.3㎞と、思っているより距離がある。
そのうち、料金所から3.7㎞地点にある仁田峠第二展望所までが平均7%強の勾配となるので、ここがこの峠の難所と言えるだろう。
料金所から最初の1㎞強は特にきつい区間で、10%強の勾配が続き、場所によっては13%になる箇所もある。
きつい区間ではあるが、徐々に頭上が開けてくるので気持ち良い。
このきつい区間を抜けると、400m程は一気に勾配が緩くなる。
3%弱なので、ここで回復を図っておきたい。
回復区間が終わると、再度勾配が上がり第二展望所までの2.2㎞で6.5%ほどの勾配になる。
特に勾配が上がってからの1.5㎞は、平均7%になる。
残りの700mほどは5%強なので、タイムを狙うならこの辺からスパートを掛け始めても良いだろう。
第二展望所からは雲仙普賢岳と島原市内から熊本市まで見通すことができる。
展望所からと峠の頂上までは1.5㎞となるが、勾配は2%強で推移するのでスピードを乗せて進めるだろう。
・頂上施設について
頂上は駐車場になっており、トイレや売店もある。
観光客の車やバスも多いので、駐車場内での自動車の動きには注意したい。
・路面状況について
路面状況は概ね良好だ。
ただし、雲仙温泉から仁田峠循環道路までの入り口までの国道部分は白線がガタガタするので、後続車を避ける度に不快に感じるだろう。