今回紹介するのは、前回
の乗鞍エコーラインとは山を挟んだ反対側に位置する、乗鞍スカイラインのヒルクライムルートについてだ。
乗鞍というと長野側からのエコーラインの登りが有名だが、岐阜側の乗鞍スカイラインも見過ごすわけにはいかない素敵なヒルクライムルートとなっている。
乗鞍スカイライン側でも、乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムという大会が開かれており、初心者から猛者まで様々なサイクリストに出会うことができる。
またロードバイク等の自転車で登るには、エコーライン以上にきつい登りとなっているので、そのコースプロフィールについて解説していきたいと思う。
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・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★★★★☆
景観: ★★★★★★★★☆☆
路面状況:★★★★★★★★☆☆
距離
13.7km
最大標高差
1023m
平均斜度
全体:7.4%
上り:7.8%
下り:1.3%
獲得標高
上り:1022m
下り:2m
・補給ポイントについて
スタート地点は、乗鞍スカイラインの始点となる平湯峠からとする。
コース全長は13.7㎞と乗鞍エコーラインと比べると短めだが、その分全体の傾斜はきつめとなっている。
またスタート地点へ到達するには、高山駅から30㎞強の道のりとなり、その道のりで1000m以上の登りをこなしてくる必要がある。
自転車だけでなく、自動車で来るにしてもそれなりに時間を要する山道となるだろう。(駐車場については、その他を参照)
・ラストコンビニ
コンビニはコース上やスタート地点付近には存在しない。
エコーラインを登ってスカイラインを折り返して登ることを想定するなら、補給食は多めに持参しよう。
もしスカイラインのスタート地点付近で、ハンガーノックになると本当に危険だ。
・ラスト自販機
自販機もコース上やスタート地点そばには存在していない。
必要な場合は、平湯温泉かほおのき平スキー場まで下る必要がある。
・実走レビュー
スタートして最初の3㎞程の区間は、平均9%超の勾配となる。
この区間は、景色的な変化はないが、勾配変化はそれなりにある区間になっている。
短い変化で階段式の登りとなっているが、全体で見ると、1~2㎞区間の間は平均10%まで勾配が上がる。
大きなアンテナのある夫婦松展望台まで来れば、3㎞を消化したことになる。
一旦短いながらも勾配が緩くなるので、ここで脚を休めたい。
体力的に厳しいようなら、展望台で休憩していくのも良いだろう。
3㎞地点の展望台を過ぎて500m程進むと、ここからは4㎞強に渡って九十九折れの区間となる。
九十九折れということもあり、勾配は5~7%前後で推移する区間が多く、前半と比べると走りやすい。
ただし、コーナーの内側だけはやはり10%を超える場所もあるので、速度を維持する場合には大回りをするように心がけたい。
この区間の後半あたりから頭上も開けてくるが、まだまだ乗鞍らしさ前回という感じではない。
なお、九十九折れ区間に入った辺りで標高は2000mを越えてくるので、エコーライン同様呼吸は浅くなってくるだろう。(呼吸が苦しいというよりは、パワーが出づらくなるといった感覚だ)
スタートから7.5㎞を進んで九十九折れ区間を過ぎると、ここからは直線的な区間が2.5㎞に渡って続く。
勾配は九十九折れ区間よりきつく、平均で9%となる。
景色は、この区間まで来て遂に乗鞍らしい気持ちの良いものに変わって来る。
10㎞地点を過ぎた辺りから、再度コーナーが連続する区間が現れる。
頂上まではおおよそ3.5㎞で、平均勾配は一気に弱まり5%台だ。
実際には前半のコーナー区間が7~8%程度になっており、後半は3~4%程度まで勾配が落ちる。
この区間はまるでヨーロッパのアルプス地方にでもワープしたかのような景色が広がっており、天気が良ければだれもがテンションの上がる区間だ。
この景色には、とにかく写真を撮る手が止まらない状態になるだろう。
コーナー区間を終えると、ここからは勾配が更に緩まる。
緑と青だけの世界を存分に楽しみつつ、残り2㎞程を進んでいきたい。
・頂上施設について
頂上設備は、前回紹介したとおりだ。
・路面状況について
路面は良好で特に注意する点はないが、コーナーはRがきついので、下りでのオーバースピードによる反対車線の飛び出しには注意しよう。
また登りはじめのポイントで、環境保護のための車体洗浄装置があり、バイクが濡れるので覚えておこう。
・その他
スタート地点まで自動車で来る場合、岐阜側ならほおのき平スキー場の無料駐車場に自動車を止めるのが良いだろう。
長野側から来る場合は、平湯大滝駐車場が便利だ。
スカイラインの始点にも小さめの駐車場はあるのだが、登山客が使用しており満車となっている可能性が高く、登る前のアップを考慮するなら上記の駐車場を利用するのがベターな選択と言える。