冬になり予定していた峠の通行止めが相次ぎ、なかなか思うように走れていない。
そこで今回は、自転車に乗り始めて今までにヒルクライムで感じたヒルクライムの魅力を「ヒルクライムのすゝめ」と題して紹介していきたいと思う。
目次
1.自分の成長を確認できる
ヒルクライムをするのは色々な理由があるだろうが、多くの場合には「前回よりも速く登りたい」という理由からが大きいのではないだろうか。
特に最近ではサイコンとスマホアプリ(GarminやSTRAVAなど)との連携ができるようになり、タイムなどの情報が可視化された。
これによって自分だけではなく、一緒に走る仲間や同じルートを走る他人ともタイムが比較できるようになったことで、競争心に火が付きやすくなった。
また輪行などをしない限りは、自走で行ける山というのは限られてくる。
すると乗り込むうちにホームコースができてきて、今日はここを前回よりも1分速く、10秒速くという風に考えるようになり、自分を追い込むようになる。
そして、その走りによって少しずつ脚が出来上がり結果としてタイムが速くなり、自分の成長を確認できるようになる。
目に見えて分かる成長というのは明快で、モチベーションを上げるには非常に重要となる。
これが上手く循環するようになると、その成長スピードは加速度的に伸びていく。
2.都会の喧騒を忘れてることができる
多くの方は日ごろオフィスで働いているだろう。
私も会社員の時は満員電車に揺られてオフィスに向かい、事務や営業回りをしながら東京や名古屋、大阪といった都心部で働いていた。
しかし元来田舎者である私には、都会の喧騒というのは華やかでありつつ、少々疲れるものでもあった。
そこで私は休日になると自転車に乗って山に行き、人よりも動物や自然の多い環境に癒されていた。
コースにもよるが、山では一人自分に向き合って自転車に乗ることができるので、自分だけの世界に浸ることができる。
しかもヒルクライムなら、強制的に登ること以外の思考を排除することができるので、この時だけはすべてを忘れることができる。
これは普通の生活をしていると、中々経験することのできない時間ではないだろうか。
これを一度経験してしまうと、ヒルクライム沼にどんどんとはまり込んでいってしまうのだ。
3.知らない人と仲良くなれる
「自転車で山に登る」
このフレーズは知らない人からすれば、とんだおバカな行為であり、常軌を逸した変態と言えるだろう。(最近でこそ漫画や町おこしの影響でヒルクライムというワードも多少浸透してきた感じはするが)
そんな常軌を逸した変態紳士淑女が山の上で会えば、ちょっとした挨拶をもとに「どこから来たのか」「どんな自転車か」「この先の道の状況は」といった話題ですぐに会話は成立する。
同じ自転車にでも乗っていれば、仲良くなれないはずがない。
場合によっては、その場で「来週一緒に登りましょう」なんてことになることもあったりするくらいだ。
やはり類は友を呼ぶもので、年が離れていようが性別が違かろうが、人種が違くともすぐに仲良くなることができる。
これは自転車で山に登ってきたという共通の体験をしているからこそ成り立つ体験なのだと思う。
(酸欠気味で判断能力が鈍くなったうえに、クライマーズハイ的な一種のハイテンションが影響している可能性もある)
4.知らない景色に会うことができる
山と一口に言っても様々な山があり、高い山低い山、頂上の景色が良かったりそうでなかったり、木の多い山だったり草原の様な山だったりとその山ごとに個性があり、とても面白い。
また季節によっても景色は大きく変わり、たとえ同じ山であっても同じ景色であることは一日としてない。
特に面白いのは、あまり情報もないようなマイナーな山に行って素晴らしい景色が見えた時には、それがまるで自分一人のために用意された景色のように思えて心地の良い気持ちに浸れる。
ちなみに私がお勧めするヒルクライムのタイミングは、雨が降りそうな曇天や雨上がりだ。
このタイミングは他の自転車乗りや観光客の自動車が少ないので、登りに集中しやすくまたいつもは見ることのできない景色や動物に会うことのできる確率が高いのだ。
5.ご飯が旨い!
空腹は最高の調味料という言葉もある通り、ライド後に食べるご飯は最高に旨い。
また山の中というのは意外にも隠れた食事処があり、そういった山の中のお店を見つけるのも面白い。
経験上、山の中で営業できているお店というのは、おいしいから山の中でもお客さんが来てくれるという場合が多いので、外れる可能性が低い。
山の中の静かで空気のおいしい環境で食べるご飯は、何物にも代えがたく旨いのだ。
6.脚や体が細くなる
人によって骨格や筋肉の付き方で個人差はあるものの、ヒルクライムを続けていると脚や体が細くなる。
これは女性には非常にうれしい話ではないだろうか。
ここまで上げてきたヒルクライムの魅力を感じつつ、更にシェイプアップまでできてしまうなんてもう一石何鳥であろうか。
しかも食事制限をしただけの鶏ガラの様な脚ではなく、締まった筋肉の付いた健康的な脚になるのだ。
おしりも引き上がって俗に言う「プリケツ」になる。
7.達成感
成長の確認と少し被るが、ヒルクライムを始めたばかりだと足を着いてしまう峠というのも多いはずだ。
これが少しずつ登れるようになって、最後まで登れるようになっと時の達成感は何物にも代えがたい。
平地を走っているとゴールの設定というのは少しわかりづらいものだが、ヒルクライムには頂上という明確なゴールがある。
そして日本にいる限り、ヒルクライムができる山というのはいくらでもある。
また同じ峠でも自分のタイムが速くなるたびに、達成感を味わえるのだ。
ここまで魅力について話してきたが、逆にデメリットはなんだろうか。
いくつか思いつくものを上げてみたい。
デメリット1.自転車が軽くなるのと同時に財布も軽くなる
ヒルクライムをしていると、「軽さは正義」という思想になりどんどん機材の軽量化がすすんでいくことになる。
俗に言う「機材沼」というやつだ。
実は自転車機材は、カーボン素材の普及に伴ってここ10年ほどでかなりコスパが良くなってきている。
以前はエントリーモデルと言えばアルミで15万円~コース、カーボンは40万円~コースというものだったが、現在では15万円以下でカーボンフレームの完成車が買えてしまうほどだ。(しかもそれが8㎏台前半だったりする!)
それでもある一定以上の軽量化をしようとするとそれなりの費用を要するようになり、自転車の軽量化と共に財布の軽量化も進む無限地獄に陥るのだ。
しかし安心してほしい。ある時ふと気が付くのだ。
「あれ?体重減らした方が安上がりじゃね?」と。
この悟りを開くと1g単位の軽量化を追い求めることはなくなり、ある程度で妥協できるようになるのでこのデメリットは解消される。
ただこの悟りを開くタイミングは個人差が大きく、なかには永久に抜け出せない人もいるようだ。。
デメリット2.無職になってしまう
なかにはそんな人もいるよね。。
思いつくままにヒルクライムの魅力(メリット)と(壊滅的な)デメリットについて書いてみたが、私の稚拙な文章では伝えきれない魅力がヒルクライムにはまだまだたくさんある。
もしこのブログを見て少しでも興味を持ったなら、是非ヒルクライムしてみてほしい。
最初は低い山からでいい。
少しでも達成感や非日常を感じそれを楽しいと思えた時、あなたはあちら側からこちら側(変態紳士淑女)の世界(という名の沼)に足を踏み入れてしまうことになるだろう。
ヒルクライムを一言でいえば「サイコー」これに尽きるのだ。
そしてもう一度ここで問いたい。
え、登らないんですか?