私は普通の人よりも多くヒルクライムをしていると思っているが、それでも毎年季節の変わり目になると服装選択には悩んで失敗することも多い。
そこで今回は自分の備忘録も兼ねて、気温と天候に合わせたヒルクライム装備を紹介したいと思う。
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25℃以上
大抵の場合、25℃を超えれば半袖ジャージにショートタイツの夏装備で問題ないだろう。
特に本州にいる限りは湿度も高いので、汗ばむことの方が多い。
ただし1000mを超える峠に登る場合、ウィンドブレーカーは持って行っても損はない。
標高が高くなることで湿度と気温は下がり、日影ではヒヤッとすることもある。
経験上、100m標高が上がると0.6℃~1℃程度気温が下がるので、1000mの峠に登れば平地(標高0m)と比較すると最大10℃程度の気温差があることになる。
登りは発熱量も多いのでさほどの問題ではないが、登りが終われば汗もかくし気温差に寒気を感じることもあるだろう。
良くあるのは、登りは晴れていたのに途中から曇ってきた場合だ。
こんな時にウィンドブレーカーがあればなぁ、と思うことがあるのではないだろうか。
特にお腹が冷えやすい人や、寒さを感じやすい人には致命傷になりかねない。
こうなるとウィンドブレーカーは転ばぬ先の安心装備と言える。
20℃~25℃
この辺から服装の失敗は多くなってくる。
平地であれば夏装備で問題ないのだが、こと峠の上となると事情は異なる。
特にこの気温の時期は春から夏、夏から秋の季節の変わり目であることが多く、天候の変化も大きい。
ウィンドブレーカーと合わせてアームフォーマーなどでこまめに温度調整をすることをお勧めする。
ただレッグウォーマーまでは不要だと思う。
というのも自転車では脚は動いているので、寒さを感じることは少ない。
どちらかと言えば、長めの靴下を履いて足首を温めたりする方が効果的だろう。
ちなみに夏用のアンダーウェアを一枚着込むことで、汗の発散と直接の走行風から体を守ることができるので、アームウォーマーを持っていない場合にはウィンドブレーカーとの併用で寒さをしのぐこともできる。
15~20℃
この気温帯が最も難しいところではないだろうか。
本州であれば、3~4月、10~11月頃がこの気温帯にあたる。
この頃には多くのサイクリストが、冬用のアンダーウェアに半袖ジャージ、もしくは春秋用サーモジャージを合わせ始める。
この時期に持っていると便利なのが、ベストタイプのジャケットだ。
長袖だと暑すぎるが、半袖ジャージだと冷えるようなときに着込むことで、腕はアンダー1枚だが胴はアンダー、ジャージ、ベストの3枚装備にすることができ、ちょうどいい塩梅というやつを作り出すことができる。
特に練習時間が早朝だったり、仕事終わりの日暮れ後に走る場合には重宝するだろう。
1000m超の峠の場合には頂上付近は10℃を切ることも多く、ウィンブレーカーだけでは下りが寒いこともある。
そんな時に着込むことで胴回りの冷え過ぎを抑えてくれる。
また下半身にはサーモ系のタイツを履く人も出てくる時期だ。
ただヒルクライムなど運動量が多いライドになると、暑すぎる場合がある。
そこで調整が可能なようにレッグウォーマー等を利用すると良い。
天候が不安定な場合や陽が出ないことが分かっている場合には、もれなくレッグウォーマーやニーウォーマーを装備に追加しよう。
グローブについてもこの気温になると指切りでは寒いこともある。
フルフィンガーグローブがあると安心だ。
10~15℃
この気温帯も難しいところだ。
寒さを感じやすい人でなくてもすでに冬装備になっているかもしれない。
峠の頂上は確実に一桁台の気温になる。
しかし冬装備となると登りが暑くて汗だくになり、下りが寒いというパターンに陥りやすい。
せっかくの冬装備も汗だくでは、体が冷えてしまう。
私のおすすめとしては、上は冬用のアンダーに秋冬用サーモジャージ、下がサーモ系のタイツということをお勧めする。
なお、下りに備えてのウィンドブレーカーは必須だ。
またこの気温帯では、天候で体感温度は大きく変わって来る。
晴れていれば上記の装備でいいが、曇っている場合には下をウィンドブレーク系のタイツにすることで、下りでの胴回りの冷えを防止することができる。
グローブは峠の上を考えると冬用のウィンドブレーク系でも良いだろう。
ちなみに平地でこの気温の場合は、シューズカバーがあると足先が冷えない。
この気温帯でお薦めなのは、フットマックスの靴下の様なシューズカバーだ。
生地の特性から秋口~冬の平地まで幅広く利用できる。
5~10℃
平地で10℃以下の場合、峠の上は氷点下の場合も多い。
ウィンドブレーク系の厳寒装備を上下で揃えて問題ない。
手袋もウィンドブレーク、シューズカバーもウィンドブレークの物が良いだろう。
峠に登ることを考えれば、できればパールイズミのプレミアムラインのように0℃対応の物が望ましい。
もちろん私のようにお金のない人間は、気合で寒さを乗り切ろう。
また、頭部や首周りを保護することで防寒性は更に増す。
ネックウォーマーや防寒キャップをかぶることで寒さを和らげることができる。
なおウィンドブレークグローブでも手先が冷えてしまう人には、ヒーターグローブという便利なものもある。
5℃以下
ここまで寒くなると、多くの峠は凍結や積雪により通行止めとなる。
それでも峠を探し求めてさまよう坂バカもいるのではないだろうか。
止めはしないので、自由に走ってきてほしい。。
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知っていると便利なアイテム
・新聞紙
新聞紙なんて。。とバカにしてはいけない。
ジロデイタリアでも下りの防寒対策として使われる由緒正しき防寒具だ。
広げてお腹とジャージの間に挟み込めば、素晴らしい防寒性を発揮する。
また汗も吸収してくれるので、汗冷えを抑える効果もある。
最近はサイクリスト用の腹巻なんてものもあるので、冷えてOPP(お腹ピーピー)してしまうサイクリストには便利だろう。
・レジ袋
見た目はダサいが、これも防寒性を発揮してくれる。
シューズカバーを忘れてしまって足先が寒いというときはシューズの外側にかぶせるか、靴下の上にかぶせてえシューズを履こう。
効果としてはシューズの外側にかぶせる方が高いが、しっかりかぶせて留めないとチェーンに巻き込んだりして危険なこともあるので、注意してほしい。
・バンダナ・帽子
ヘルメットの下につけることで汗ダレを防止することができるほか、防寒にも役立つ。
また、夏にはバンダナを濡らすことで頭部を気化熱で冷却することもできる便利なアイテムだ。
・ネックウォーマー
ウォーマーとしての首周りの防寒のほかに、夏場は濡らすことで首周りを冷却し、熱中症予防として利用することもできる。
夏も利用する場合は、バンダナタイプが便利だろう。
・夏用アンダーウェア
利用しているサイクリストの方が多いかもしれないが、夏は気温だけでなく、日差しも大きな敵となる。
特に女性サイクリストなら日焼け防止として効果絶大だが、日差しによる疲労を防止する意味で男性も装着する意味は大いにある。
またアンダーウェアを着ることで、体表面の面積を増やし、汗を効率的に蒸発させて体温の上昇を防ぐ効果も大きい。
アンダーウェアの装着には好き嫌いがあったり、スタイルを重視するサイクリストには向かなかったりするかもしれないが、連日練習する場合や、連日のライド予定がある場合その効果は体感できるほどに顕著に表れるので、一度試してみると良いだろう。
・ボトル
冬は問題ないが、夏はボトルの中身がお湯になって機能を果たさなくなることがある。
冷却ボトルを使っても、真夏には飲み物を冷たいまま持ち歩くことはできない。
そんなときは、ライド前夜にボトルの半分を凍らしておこう。
そして出掛ける前に残りの半分を足すことで、冷たい飲み物を持続させることができる。
ボトル2本体制なら、2本目は全て凍らせてしまえば、1本目を飲み終わった頃に上手いこと溶けはじめているだろう。
あとがき
一応備忘録として記事にしたが、書いていて気付いたことがある。
一般的なサイクリストを想定して書いてみたが、私はこの基準には当てはなまらなかったw
私の場合、平地の気温が10℃以上あればグローブはつけないし、ビブタイツもはかない。
自転車でもなんでもそうなのだが、人より外部要因に鈍感なのだろう。(でも締め付けられることには敏感で会社辞めちゃったけどw)
というわけで自分の場合は基準より+5℃で考えるのが良いのかもしれない。