今までいくつかの阿蘇の峠たちを紹介してきたが、阿蘇にはまだまだたくさんの楽しい道が存在している。
今回は、そんな紹介できていなかった道と、阿蘇に行ったら寄ってほしいスポットを紹介していきたい。
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目次
・ミルクロード
まずは定番のミルクロードだ。
ミルクロードは、熊本県菊池郡大津町から県道339号線、12号線、45号線、11号線、40号線をつないで阿蘇市波野大字小地野に至る、全長約47.1kmの草原道路である。
阿蘇空港まで飛行機輪行してくれば、そこからすぐにミルクロードへアクセスすることができる。
観光道路としても定番化しているが、自転車で走れば風薫る風景に心を癒されること間違いなしだ。
ただ、外輪山の尾根沿いを繋いだルートになっているので、想像以上にアップダウンがある。
とはいえ、休憩ポイントや展望ポイントも多いので、初心者でも十分走り切ることはできる。
・展望ポイント
展望ポイントはいくつかあるが、その中から定番のポイントを3つほど紹介したい。
・西湯浦園地展望所
絶壁から突き出した展望台は、阿蘇市街越しに阿蘇五岳を一望できる。
また、大観峰と比較して人が少ないので、写真を撮るのも映り込みが少なくてありがたいポイント。
展望台手前の北山レストランでは食事をすることも可能だ。
・絶景駐車場
ただの駐車場なのだが、その名の通り絶景を見ることができる。
日の出から日の入りまで、変わっていく景色をいつでも楽しむことができる。
駐車場は砂利敷きなので、自転車は押して入るのが良いだろう。
・大観峰
ミルクロードの定番スポットで、いつでも多くのバイクや自動車が出入りする。
景色を見るだけでなく食事をすることも可能で、東西南北どこからもアクセスがいいので、休憩ポイントや合流ポイントとしても活用しやすい。
大観峰のすぐ横そばには、九州でも随一の激坂カルデラベルグもあるので、お好きな方は挑戦してみてほしい。
ちなみにミルクロード沿いで一時期有名になったラピュタの道は、熊本地震の影響で路面崩壊して廃道が決定したため、残念ながら通行することも立ち寄ることもできないようになっている。
在りし日のラピュタの道
少し舗装路を外れて冒険してみれば、そこには少し違った景色が見えて面白い。
ロードでも走れそうなダートもたくさんあるので、時間があれば冒険してみよう。
・日ノ尾峠
阿蘇の定番ルートを走り終えて、マイナーなルートにも挑戦したいという方にお薦めなのは、日ノ尾峠だ。
日ノ尾峠は、阿蘇市宮地から南阿蘇の高森町を繋ぐ林道にある峠だ。
峠の勾配は、阿蘇パノラマラインなどと比べれば、きつめの設定になっている。
また林道なので、道幅も狭く路面状況も十分とは言えない。
しかし、この道は自動車が走ってくることは稀で、のんびりとした雰囲気の中を走ることができる。
また阿蘇においては貴重な樹木に覆われた区間を長く持っており、阿蘇のパノラマ風景に飽きてしまったという贅沢な悩みをお持ちの方にも、お勧めのルートだ。
北側からの登りの方が距離が長く、勾配は緩い。
また登りながら阿蘇の市街や外輪山を眺めることのできるルートになっており、外輪山側やパノラマラインとは違う景色なのがうれしい。
所々で路肩の崩壊などがあるので、走行には注意したいところだ。
個人的に好きなのは、南側からのルートだ。
こちらの方が距離が短いため勾配がきつく、登りがいがある。
またなんと言っても面白いのが、牧草地のなかに道が通っているので、牛が道路上を悠々と歩いていることだ。
牛の方も慣れているのか、脅かしたりしなければ非常に大人しい。
勾配はそれなりにきついはずなのに、景色と牛に癒される楽しいルートになっている。
なお南ルートの途中には、放牧牛の脱走を防ぐために門がある。
通常は閉まっているので、しっかりと「あとぜき」しよう。
ちなみに南ルートは、スタート地点付近にある自販機以外は補給地点はない。
北ルートは、スタート地点から1㎞以内にローソンがある。
・黒岩峠
前回紹介したカルデラベルグは上級者向きの激坂だが、中級者が丁度良く登れる坂はないだろうか。
そこで紹介したいのが黒岩峠だ。
黒岩峠は距離こそ2.4㎞と短いが、平均勾配は11%を超える中々の峠だ。
ただ黒岩峠は、坂だけではない魅力がある。
それは素敵な景色だ。
日ノ尾峠同様、牧草地の中を道が走っており、牛を間近に見ながらのクライムになる。
振り返れば、阿蘇山と南阿蘇を一望することができるので、きつい登りながら非常に気持ちが良い。
一方、勾配は大部分で10%を超えており、場所によっては20%を超える刺激的な登りになっている。
道幅や路面状況は良好なので、カルデラベルグと比較すると登りやすい。
ルートの途中には、天然記念物に指定された高森殿の杉という巨木があり、パワースポットになっている。
樹齢400年を超える巨木から枝分かれした幹は非常に珍しく、一見の価値があるだろう。
・阿蘇火口
それからもう一か所、阿蘇パノラマラインを紹介した際に紹介できなかったスポットとして、阿蘇山の火口を紹介しておこう。
阿蘇山の火口は、噴火の恐れが低く、風などで火山ガスが展望台方面に流れてこないことを条件に登ることができる。
登れるかどうかは運になってしまうが、雨が降る前日などは風向きが変わるので、登れる確率が高いとのことだ。
自転車なら公園道路は無料で走ることができるが、勾配は厳しいので初心者にはきつい。
それでも登山道路を登りながら見える景色は、日本ではここでしか見ることができないものと言えるだろう。
・やまなみハイウェイ/くじゅう連山
阿蘇を走り終えたら、やまなみハイウェイでくじゅう連山にも足を伸ばしてみよう。
ミルクロードから続くやまなみハイウェイは大分県の由布院まで続くルートで、くじゅう連山はその途中に位置している。
途中と言っても、宮地からくじゅう連山の最高地点となる牧ノ戸峠までは、30㎞弱の道のりなのでそこまで遠くはない。
ただ宮地の標高が500m弱で、牧ノ戸峠は標高1300m超あるので、コースは基本的に登り基調だ。
タイムアタックでもしない限りは、景色も良いので気持ち良く走ることができるだろう。
疲れたら三愛レストハウスや、所々に点在する観光牧場でソフトクリームでもペロペロしておこう。
更に牧ノ戸峠から大分側に下っていくと、長者原というビューポイントに行きあたる。
直線道路がくじゅう連山に伸びていく景色は、これまた一見の価値があるので、是非とも走っておきたい。
・阿蘇のグルメ
最後になるが、自転車と切っても切り離せないのが、グルメだろう。
ここからは阿蘇のグルメについて、一部ではあるが簡単に紹介していきたいと思う。
・道の駅阿蘇
まずは阿蘇サイクリングの拠点になる道の駅阿蘇だ。
ここでは牧場ごとのソフトクリームが3種類味わえる。
また地元の高校生が考案した、あか牛を使ったお弁当を買うこともできる。
中にも外にも休憩スペースがあるので、ゆっくり補給が可能だ。
また道の駅が駅と併設しているので、時折やってくる電車を眺めるのも楽しい。
・いまきん食堂
あか牛と言えば、いまきん食堂は外せない。
少し値段は高いが、甘いタレと絶妙な焼き加減のあか牛が最高にマッチしている
初めての阿蘇なら寄っておきたいところだが、お昼時は行列になるので、可能なら開店前には着いておきたいところだ。
・バイエルン
阿蘇山周辺ならバイエルンがお薦めだ。
自家製の美味しいソーセージとハムを頂くことができる。
お薦めはボンレスハムのステーキだ。
厚切りで大判のボンレスハムがジューシーに焼かれており、ボリュームにも満足できるだろ。
また、一緒についてくるパンも風味豊かで美味しい。
ちなみにミルクロード沿いにも分店があり、ここではソーセージやベーコンを使った軽食が食べられる。
・丸福
牛、豚とくれば鶏も欲しいところだが、その場合は丸福にいこう。
ここはサクサクとした衣と、ジューシーなもも肉の唐揚げが有名なお店だ。
注文を入れるとその場で揚げてくれるので、熱々の唐揚げを食べることができる。
テイクアウトして食べるのも良いし、併設した定食屋で食べることもできる。
・古閑牧場
お土産には、熊本定番の馬刺しはどうだろうか。
馬刺しを買うなら阿蘇からは少し離れるが、熊本市の古閑牧場がお薦めだ。
馬刺しのお店はたくさんあるのだが、自社で育成した馬刺しを購入できるため、他店と比較して安く、新鮮な馬刺しを購入することができる。
また名産地ならではの部位を購入することもできる他、自分で食べるなら切り落とし部位を集めた「馬刺してんこ盛り」が安くて、美味しいのでお薦めだ。
・浮島神社
ここまで来たらもう一か所寄ってほしいのが、浮島神社だ。
ここでは、丸型(ホイールデザイン)の自転車お守りを分けてもらうことができる。
自分の好みに合わせて、マイヨジョーヌ、マイヨヴェール、マイヨアポアルージュ、マリアローザ、アルカンシェルから選ぶことができる。
神社自体も池のほとりにあり、静かで気持ちの良い場所だった。
私も古くなったお守りを新しくした。
右が那須温泉神社のお守りで、左が浮島神社の物。
遠く離れた神社に、同じデザインのお守りがあることを、社務所の方も驚かれていた。
・茶のこ
自転車乗りなら寄ってほしいお店がもう一軒ある。
こちらも阿蘇からは20kmほど北上した南小国にある、茶のこという自転車乗りウェルカムのカフェだ。
(店主の意向によりお店の外観は某宮殿となっています)
自転車乗りウェルカムの理由は、店主の松崎さんが実業団に所属しているローディ(現在は広報メインとのこと)だからだ。
お店の雰囲気も落ち着いており素敵なのだが、料理も非常においしい。
料理は2種類で、じっくり煮込まれたハヤシライスか、サクサククリスピーな若鶏の南蛮風ご飯だ。
どちらを選んだとしても満足できるだろう。(しかも自走なら大盛無料だ!)
そしてスイーツ男子にも女子にもお勧めなのが、クリーミーでふんわり甘い杏仁豆腐だ。
これは一度食べれば、癖になるだろう。
その時々でスイーツメニューは変わるので、何を食べられるか楽しみに向かうのもいい。
店内にはマニア垂涎のフルームや幸也のサインもある!
松崎さんがデザインしたスタイリッシュなジャージも販売している。
ジャージデザインは毎回変わり、現在はピンクの桜ジャージを販売中だ。
この他にも楽しいルートや、美味しいお店はたくさんある。
是非皆さんも阿蘇で登って食べて、楽し苦休日を過ごしてみてはいかがだろうか。