今回は、秋田と山形の日本海側の県境に位置する鳥海山を紹介したい。
鳥海山は出羽富士とも呼ばれ、山形県では最高峰の標高2236mとなる。
自転車でも鳥海山の1200m付近まで舗装路を通ってアタックすることができる。
今回はいくつかある登り坂の中から、鳥海ブルーラインの秋田側からの登りについて紹介する。
・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★★☆☆☆
景観: ★★★★☆☆☆☆☆☆
路面状況:★★★★★★★★☆☆
距離
14.7km
最大標高差
1001m
平均斜度
全体:6.8%
上り:7.5%
下り:1%
獲得標高
上り:994m
下り:1m
・補給ポイントについて
スタート地点は、にかほ市街から3㎞ほど鳥海山へ進んだところにある、奈曽の白滝交差点とする。
ゴールの鉾立山荘までは14.7㎞となる。
アクセスは電車なら羽越本線の象潟駅が最寄りとなるが、例に漏れず電車の本数は多くない。
・ラストコンビニ
ラストコンビニは、道の駅象潟ねむの丘のそばにあるローソンかセブンイレブンが最後だ。
ちなみにこの道の駅は、温泉(安い上に眺望と泉質も良い!)やレストランも併設しているので、サイクリング拠点として最適だ。
・ラスト自販機
ラスト自販機は、スタート地点に隣接するガソリンスタンドにあるものが最後だ。
・実走レビュー
スタートしても最初の2㎞はあまり登らないので、のんびりと進みたい。
なおスタート地点までは、にかほ市街から獲得標高で100mほど登ることになる。
田んぼ道を進んでいき、道が森の中に消えていくところまでくれば、本格的な登りの開始だ。
ここから先は徐々に勾配を増していきながら、10%を含んだ登りが続くことになる。
登りは3kmほど続き、平均勾配は8%になる。
特に4㎞から5㎞区間の1㎞は10%前後をうろつき、瞬間的には10%を超えることもある。
5㎞地点まで来ると一旦勾配は落ち付き、200mほどは休むことができる。
標高は所々に登場する看板で確認することができ、この地点は2合目となり、標高は410mだ。
脚休め区間が終わると、また登りが続くことになる。
3合目(標高610m)となる霊峰パーキングまでは2.2㎞あり、勾配は7.6%となる。
2合目を抜けてから1㎞ほどは10%程度を推移するが、その後は概ね6%前後だ。
ただし、霊峰P手前の400mほどは10%になる。
途中にはトイレもあったが整備はされていなそうなので、どこまで使えるかは未知数だ。
霊峰Pを抜けると、頂上までは5%の登りと10%の登りを繰り返すことになる。
霊峰Pから3㎞地点にある鳥瞰嶺までの勾配は7%後半なのだが、勾配変化が激しいので想像以上に体力を消耗しやすい。
また霊峰Pから先はカーブが連続する区間なので、勾配の内側と外側で勾配が大きく変わることにも留意してほしい。
鳥瞰嶺付近からは秋田側を一望できるポイントも現れるが、写真を撮ったタイミングでは山に雲がかかっていたため、あまり良い眺望を得ることはできなかった。
なお鳥瞰嶺までくれば、全体の3分の2を消化したことになる。
鳥瞰嶺から1㎞弱進むと、4合目の下鉾立P(標高893m)となる。
下鉾立P付近では一旦勾配が緩むことになるが、その後はゴール手前までの2.5㎞で平均勾配が9%を超えることになるので、ここでしっかりと脚を休めておきたい。
最もキツい2.5㎞区間の勾配は、前述したように5%前後と10%前後が繰り返し続くような状況だ。
今までとの違いは、急勾配区間の割合が増えて休める箇所が少なくなることだ。
場所によっては13%程度になる箇所もあるので、うまくダンシングを使って乗り越えたい。
この区間を乗り越えれば、ゴールの鉾立山荘までは500mとなり、勾配も大きく緩む。
最後に力が残っていれば、加速して気持ち良くラスト区間を走り切りたい。
タイムを狙いた場合には、勾配の変化に対応したシッティングとダンシングの切り替えが必要になる。
また後半区間の勾配が厳しいので、前半中盤で力を使い切らないように注意しよう。
分岐が現れたら左に進めば駐車場が現れてゴールとなる。
・頂上施設について
頂上の山荘は駐車場やトイレのほかに食堂も整備されており、補給に困ることはないだろう。
また、駐車場からは山の頂上や秋田方面を一望できる。
・路面状況について
路面状況は良好で、全線片道1車線を確保してある。
観光客の自動車もそこまで多くないので、不安はないだろう。
場所によっては少しアスファルトがはがれている個所もあるので、注意してほしい。