今回は前回に引き続き長野群馬両県にまたがるぶどう峠(標高1500m)を紹介する。(漢字で書く場合は葡萄峠ではなく武道峠だ!)
この峠は前回紹介した十石峠の南隣に位置する峠で、全長や勾配状況などは比較的似ている。
・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★☆☆☆☆
景観: ★★★★★☆☆☆☆☆
路面状況:★★★★★☆☆☆☆☆
距離
15.5km
最大標高差
916m
平均斜度
全体:5.8%
上り:7.3%
下り:3.3%
獲得標高
上り:926m
下り:25m
・補給ポイントについて
スタート地点についても同様に川の駅上野として良いだろう。
またぶどう峠も途中には補給できるものが何もないので、川の駅上野でしっかりと補給を整えてもらいたい。
・実走レビュー
今回はこの看板を左だ。
早速峠の状況を説明していこう。峠の全長は15.5㎞でこちらも前半は比較的ゆるゆると登っていくことになる。
前半の路面状況は十石峠とは打って変わって県道とは思えないほど綺麗である。
また道路の横を清流が流れており、気持ち良く走ることができる。
ただしこの綺麗な道に騙されてはいけない。
スタートして6㎞を過ぎたあたりから本格的な登りに突入する。
峠のゲートがあるので、これが見えたら気合を入れよう。
前半が緩い分、残りは8~10%程度を維持したまま登っていくことになる。
また、この峠は時期(木が枯れている時期)によって行く先の道が見えてしまうタイプなので、顔を上げているとはるか高所にガードレールが見えて「あそこまで登らないといけないのか」という気持ちになってしまう。
特に後半の斜度がきつくなっている部分で、その攻撃にさらされると脚が止まりやすくなるので、客観的にあとどのくらいの距離が残っているのかを計算すると良いだろう。
実は一度登るとわかることなのだが、この峠のカーブ部分とストレート部分の斜度はあまり変わらないか、場合によってはカーブのほうが緩いという箇所も多いので、視覚的な情報に惑わされないようにしたい。
耐えながら進んでいくと中盤以降は景色が開ける箇所も増えてきて登ってきた道を見下ろすことができるようになるので、景色を眺めて心を落ち着けるよう。
しかしこの峠ここで終わりにはならない。
後半に進むにつれてさらに勾配がきつくなるのである。
峠全体としては斜度6%弱となっているが、前半5㎞が2.7%、中盤5kmが7.4%、終盤5㎞も7.4%となっていて特に最後の1㎞強は平均11%を超えてくることになる。
最後はブラインドカーブが続きながらの登坂になるので、どこで終わるのだろうかという気持ちとスタミナ計算に終始することになるだろう。(それがまた達成感を増幅させるのだが)
タイムをねらう場合には、長期戦を覚悟して距離とスタミナを計算しながら一定ペースで登るのが良い。スパートはラスト1㎞のきつい区間となるが、これを耐えられればタイムは伸びるはずだ。
何度もカーブにじらされ、脚が限界を迎えるころに頂上となる長野県の看板は見えてくる。
・頂上施設について
頂上にはぶどう峠の石碑とちょっとしたベンチがあるのこの峠に勝利したことを味わいつつ休憩しよう。
また遠くには八ヶ岳方面を見通すこともできる。
・路面状況について
全体的な路面状況としては、路面自体は悪くないが頂上に向かうにしたがって砂利や砂がたまっている部分が増える。
このために下りでのスピードの出しすぎには注意してほしい。
交通量は十石峠と比べるとはるかに少ないが、車線は基本的に全線1車線なので、対向車や後方からの車両に十分注意しよう。
・その他
最後に、登り始めてすぐのところに「しおじの湯」という温泉があるので、戻ってきたらここで汗を流すのがサイコーだろう(入浴料500円)
遠方から来る場合には299号線に点在する道の駅に車を止めて、そこから自転車で各峠にアタックして地元グルメや温泉を楽しむというのもよいのではないだろうか。