今回紹介するのは、周りを囲む9つの嶺を「九嶺(きゅうれい)」と呼び、それがなまって「くれ」になったという説がある、呉市の北部に位置する灰ヶ峰だ。
灰ヶ峰の標高は737mで、これが郵便番号の上3ケタと同じことから、呉市民には親しみ深い山になっている。
また、呉市街からのアクセスも非常に良好で、呉のサイクリストにも定番のルートになっているようだ。
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・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★☆☆☆☆
景観: ★★★★★★☆☆☆☆
路面状況:★★★★★☆☆☆☆☆
距離
11.1km
最大標高差
674m
平均斜度
全体:6.1%
上り:6.9%
下り:5%
獲得標高
上り:688m
下り:30m
・補給ポイントについて
スタート地点は、西畑の交差点からとする。
頂上までのコース全長は11.1㎞だ。
・ラストコンビニ
コンビニは近くに何件かあるので、補給は問題ない。
・ラスト自販機
自販機はコースの丁度中盤辺りにある物が最後だ。
コースのほぼ中間地点なので、初心者の休憩ポイントに丁度良いだろう。
・実走レビュー
スタート時点で、海からは60m程登ってくることになる。
スタートしたらすぐに登り始めめ、住宅の立ち並ぶ坂道を抜けて行く。
住宅街の坂は4㎞に渡って続く。
平均勾配は5%程で、実際に走っても6~7%程度の区間が多く、そこまできついポイントは現れない。
強いて言うなら、水道局の設備がある辺りが勾配的には一番きついだろうか。
蛇行するような勾配ではないが、道が細いので対向車や後続車には十分注意して登ってほしい。
細い道だが、路線バスも通る。
4㎞地点を過ぎると、徐々に住宅が減ってくるが、勾配が大きく変わることはない。
5.3㎞地点まで来ると、ラスト自販機が見えてくる。
交差点になっているので、交差点に進入する際は注意したい。
交差点から200m程進むと再度交差点が現れるので、ここを右折しよう。
コースの折り返しポイントとしても覚えやすい交差点だ。
右折すると、ここからは勾配が少しきつくなる。
交差点から最初の1㎞は、平均6.5%程だ。
住宅街からも景色は多少見えていたが、ここから先は更に高いポイントから呉市街を見ることができるようになる。
6.5㎞地点からの2㎞区間は、平均8%まで勾配がきつくなる。
実際には6.7㎞地点から8.5㎞地点まで平均9%となり、勾配変化もそれなりにある。
場所によっては15%程度になる箇所もあるが、逆に6%程度になる箇所もある。
きつい場合には、この区間の途中に茶屋があるので、一息つくのも良い。
特に7.9㎞地点にある展望台からは、呉を一望できるのでお薦めだ。
このきつい区間を越えると、下りに転じる。
下りは400m強続く。
下り終わったところが急カーブとなっている。
下りのスピードをうまく生かすことができないのは残念だが、しっかりとブレーキングして安全を確保したい。
登りに転じると、一旦10%程度まで勾配が上がってから徐々に緩くなる。
この区間が700m程続く。
この区間を過ぎると、再度勾配はきつくなり、600mは平均11%の勾配となる。
頂上が近づいていることは分かるが、勾配がきつく進まないので、精神的に辛い。
辛い区間を乗り越えれば、残りは700mだ。
ラスト700mは平均9%ほどだが、実際には徐々に勾配がきつくなる構成だ。
ラスト100mは15%超の勾配となる。
最後だと思って耐え抜きたい。
・頂上施設について
頂上は気象レーダーと展望台があり、瀬戸内海を一望することができる。
・路面状況について
路面状況は前半は良好だ。
後半はコンクリ舗装路面が増えるのだが、舗装が波打っているのか自転車が跳ねる。
また舗装の切れ目が縦に大きく開いているところでは、タイヤが嵌って転倒する恐れがあるので注意したい。
・その他
呉に来たらお勧めしたいのが、大和ミュージアムと周辺の港だ。
元々大戦時に鎮守府と軍港があったことから、現在も造船所や軍港として機能しており、たくさんの船を見ることができる。
自転車だと駐輪に難がある大和ミュージアムだが、中に入らずとも大和の主砲や主錨を見ることができる。
(もちろんミュージアム内もお薦めだ)
また隣のてつのくじら館では、実際に使われていた潜水艦を無料で見学することができる。
更にアレイからすこじま公園からは、日本で唯一間近から潜水艦を見ることができる他、日曜日なら護衛艦の一般公開も行っている。
少し離れるが、大戦時の面影を感じたいなら、アレイからすこじまから2㎞ほど南下すると、巡洋艦青葉終焉の地がある。
またこの碑の裏手の道は、「この世界の片隅に」の舞台にもなっている。
いつもは見ることができない新鮮な景色を見ることができるので、特に男子には楽しいお薦めのサイクリングスポットと言えるだろう。