【時間がある今こそ!】低予算で固定ローラーを動くローラー台にグレードアップする方法!

昨今の新型コロナ流行によって在宅勤務が増えたり、休日も自転車に乗れずSTAYHOMEを強いられている自転車乗りも多いのではないだろうか。
そして、室内でできる自転車トレーニングと言えばローラー練習であり、昨今では多くの人が利用しているZwiftをはじめとしたバーチャルトレーナーだ。

これらバーチャルトレーナーを利用するためには、スマートローラーと呼ばれる出力やケイデンス、スピードを測定できるローラー台があると、楽しくトレーニングが可能だ。(厳密に言えば、どんなローラー台でもケイデンスセンサーとパワーメーターがあれば利用は可能だ)
今回はこれらのローラー台を、ドライバーとハサミだけのDIYで更に快適利用環境にしようという記事である。

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・ローラー台の種類

一応、これからローラートレーニングを始めようという人のために、ローラー台の種類についておさらいをしておこう。
なお、どのタイプを利用してもバーチャルトレーナーを利用することは可能だ。

・固定ローラー(今回のDIY対象)


JETBLACK(ジェットブラック) WHISPERDRIVE Smart JBT-Whisper-SMT

後輪を固定式のローラーに固定するタイプ。
後輪ごと乗せて使うタイプと後輪を外して使うダイレクトドライブ式があり、最近では後者が主流になりつつある。
また、スマートローラーでは固定ローラータイプが主流となる。

メリット

・固定されているため倒れてしまうことがなく、だれでもすぐに利用できる
・ダイレクトドライブ方式であれば、走行時の走行音が小さい

最近では、フロントフォーク(前輪受け)を専用の機械に固定してバーチャルトレーナーと連動することで、登りや下りの姿勢を作り出すオプション機器を装備したローラー台(WahooKickrClimb)もある。

デメリット

・バイクがまっすぐ固定されているため、実走の感覚を得ることはできない
・自転車を漕いだ時の応力がフレームの負荷となるため、フレーム寿命を短くする可能性がある

Tacx等の一部の機種では、後輪軸を意図的に振れる構造とすることで、実走に近い感覚を得ることができるように設計されたモデルもある。

・3本(4本)ローラー


グロータックグロータック トレーニングバイク GT-ROLLER Q1.1 4本ローラー台

3本ないし4本のローラーで構成された装置で、自転車はその上を自由状態で走るタイプのローラー台。

メリット

・実走にかなり近い走行感覚を得ることができる
・車体が固定されていないため、車体への負荷も実走同様に少ない

デメリット

・走行できるようになるまで、一定のコツが必要になる(人によって差がある)
・固定されていないため、落車の危険がある
・走行音が大きく、マンションなどの集合住宅での使用には適さない

・ハイブリッド式ローラー


FEEDBACK SPORTS(フィードバックスポーツ) Portable Bike Trainer

前輪を固定して、後輪はローラー上に乗っているタイプ。
固定式や3本ローラーと比べると比較的最近の仕組みで、固定式と3本ローラーの良いとこ取りをしたような機構を採用している。

メリット

・固定式と比較して実走に近い感覚を得ることができる
・前輪が固定されているため、3本ローラーの様に不注意で落車することがない

デメリット

・自転車を漕いだ時の応力がフロントフォークの負荷となるため、フレーム寿命を短くする可能性がある
・後輪は3本ローラーと同様の構造なので、走行音が大きい

・動くローラー台の作成について

私は固定式のスマートローラーを利用しているが、前述したとおりフレームがローラー台に固定されているため実走感がないことを不満に思っていた。
また私の走り方は比較的ダンシングが多く、固定ローラーでダンシングをしようとすると、いつもであればバイクが振れるのに体の方を振らなければならず、またそのたびに自転車のフレームがしなっていることが分かり、精神的にもよろしくなかった。
そこでローラー台ごと可動してしまえばよいと思ったのだが、市販されているSARISのMP1のような製品は15万円を超える価格で高すぎる。
何より私自身、コロナが収まればまた外を走る方が増えるので、そこまでの投資価値を見出せない。
それなら自分で作ってしまおうと思い立ったわけだ。
そして意外にも上手く作れてしまったので、この感動を皆様にも伝えたいと思い、記事にすることにした。

用意するもの

作り方は思っているよりも簡単だ。
必要な素材は写真の通りとなる。
また、使用する工具はドライバーとハサミだけだ。

750×750のすのこ板×2枚(ローラー台が乗るサイズを要確認)

上記の製品だと、体重57㎏前後の私がバイクを漕ぐと若干のしなり音があるので、それより体重が重い方は下記の様な少ししっかりした製品か、床材の様な板を使うと良いだろう。

手すり用の25φ×900mmのステンレスパイプ×1本

25φパイプ用ブラケット×2又は3個(60㎏未満の私は2つだが、耐久性や荷重を気にするなら3つ)

通常、ブラケットには固定用のネジが付属しているので、別途購入する必要はない。

レジャー用のゴムボール×4個

このボールはボードの左右のクッション材の役割をする。
硬すぎても柔らかすぎてもよろしくないので、空気量を調整できるものが好ましい。
リンクの商品は空気圧も調整できて、デフォルトで私の体重には丁度よかった。
自転車用のチューブでも代用できそうだ。

タイラップ

作成方法

すのこを裏向きに合わせて(リンクの2枚入りすのこだと開封した時の状態)、パイプのブラケットを、すのこ中央部分にねじ留めしよう。
この時中央を大きく外すと全体のバランスが崩れるので、注意しよう。

ブラケットの固定した個所に大きな力が掛かるので、必ず渡し(補強材)がある箇所にねじ止めしよう。
中央に渡し(補強材)がないすのこの場合は、縦横を90度変えて使用しよう。(その場合、ブラケットは3つ以上が好ましい)

片側のブラケットを留めたらパイプを通して、対面側の位置を決めよう。

最初のブラケットの向きが曲がっていると、まっすぐにパイプが渡せないので、いきなりねじ止めするのではなく、仮留めして様子を見ると安全だ。

両側を固定してパイプを通したら、このような感じになる。

二つのすのこは、ブラケットを留めたネジで固定されているだけなので、中央と四隅をタイラップでしっかりと固定しよう。

さらなる固定力や耐久性を求めるなら、ネジや釘で固定する方がより安心だ。

タイラップ留めが終わったら、ゴムボールをビニール袋に入れて口を縛っていこう。

ビニールで縛ったボールをタイラップで四隅に固定していく。
簡単にボールを固定できる方法としてビニール袋を使用しているが、固定できれば方法は問わない。

出来たボードにローラーを載せれば、概ね完成だ。

忘れてはいけないのは、ローラーとボードは必ず固定しよう。

タイラップでの固定以外に、マジックテープなどで固定すれば、取り外しが容易だ。

また、パイプ軸の下に滑り止めと床を傷つけないようにゴム材などを敷くのを忘れないように。

最後に左右のボールの下にスペーサー(私はそばにあった座布団)を入れて、傾き量調整したら完成だ。
実際に乗って確かめよう。

前輪側にも高さを調整するためのブロックや雑誌等を置いて水平を取るのを忘れないように
また、前輪の接地面には摩擦の少ない素材を置くことで、より自然な揺れを出すことが出来る


動画撮影の時は、パイプの下に滑り止めがなかったので、ダンシングでボードの軸が動いてしまっている。

この作業は、DIYが得意なら2時間もかからずに済む作業だ。
次の雨の日には、皆さんも自作の動くボードを作成して、ローラー練習をより快適なものとしてほしい。