今回紹介する峠は、日本最東端に位置する知床峠だ。
知床と言えば、知床半島に生息するヒグマや、豊かな海で獲れる海産物といったイメージがあるかもしれない。
その自然豊かな知床半島をウトロから羅臼まで貫く知床峠もまた、とても美しい峠である。
・峠スペック
坂バカ度:★★★☆☆☆☆☆☆☆
景観: ★★★★★★★★★★
路面状況:★★★★★★★★★★
距離
13.2km
最大標高差
737m
平均斜度
全体:5.6%
上り:5.7%
下り:0%
獲得標高
上り:732m
下り:0m
・補給ポイントについて
スタート地点は、知床峠の入り口となる幌別橋からとする。
頂上までは13.2㎞となる。
アクセスは自動車しかない。距離が足りなければ、斜里からの自走も良いだろう。
斜里からの道中には、オシンコシンの滝など見どころもある。
・ラストコンビニ
コンビニはウトロの街中にあるセイコーマートが最後となる。
自販機は近場にないので、コンビニで一緒に補給を済ませておこう。
・実走レビュー
スタートするとすぐにウェルカム登坂があり、1.2㎞程は6~7%の勾配で進んでいくことになる。
坂の上からはウトロの街を見下ろすことができる。
その後は勾配は落ち付いて、6%前後の勾配が続くことになる。
ウトロ側からの登りは、多少の変化はあるものの概ね一定勾配となっており、ゴールまでこの勾配が大きく変わることはない。
スタートから3㎞ほど進んだところで、知床自然センターがあり、知床五湖方面に向かう分岐があるが、ここは直進しよう。
ちなみに知床五湖の一つには、自転車でもアプローチすることは可能だが、クマに遭遇する確率も高いので注意してほしい。
知床のヒグマは人馴れしており、車道にも平気で出てきてしまう。
実際私も今回のライドで遭遇したが、ツキノワグマとは比較にならない大きさであり、自転車で遭遇してしまうとかなり怖い。
幸運なことに遭遇した際は距離もあったので、ビビりながらもゆっくりとその場を離れられたが、背中を向けて走って逃げると追いかけてくる習性があるらしく、更に最高速度は60㎞にも達するとのことなので、刺激せずにゆっくりとその場を離れるようにしよう。(写真を撮るなんてもってのほかだ!)
さて話を峠に戻すと、知床自然センターから先は2㎞ほどは若干勾配が増して、平均6.7%になる。
さらにその先2㎞は、今度は勾配が落ち着いて4%になる。
風景としても大きな変化は少なく、知床の大自然の中を進んでいく。
常に羅臼岳を見ながら登ることになるので、頂上が少しずつ近づいてくることを把握できる。
ここからゴールまでの6.2㎞はほぼ勾配が変わらず、平均で6%弱となる。
最大勾配でも8%になるかどうかといったところだ。
両側の木が途切れて、景色が笹薮に変われば後半戦だ。
ほとんど直線的であった道もカーブが現れるようになる。
眼下に登ってきた道路が見えるようになり、羅臼岳が大きくなればゴールは近い。
パーキングの看板が見えたら最後の踏ん張りと行こう。
・頂上施設について
頂上は駐車場になっており、トイレも完備されている。
羅臼岳をバックに知床峠の石碑で写真が撮れるので、記念に写真を撮っておこう。
運が良ければ、千島列島を望むこともできる。
・路面状況について
路面状況は、道幅も広く非常に良好である。
ただとにかく動物が多いので、気持ちいいからと言って飛ばしすぎると、飛び出してきた動物と衝突する危険も多いにある。
是非注意してほしい。
とはいえ、その分だけ自然は美しく、峠としてのレベルもそこまで高くないので、誰でもサイクリングとして一度は登っておきたい峠だ。(ぜひ晴れた日に!)