前回の投稿から少し時間がたってしまったが、今回からは神奈川以西の峠を紹介していこうと思う。
今回紹介するのは、関東の自転車乗りなら知らない者はいないといっても過言ではない、ヤビツ峠だ。
ヤビツ峠の標高は761mと、ブログで取り上げるには物足りない標高ではあるものの、全国的に見ても有名な峠であることから紹介したいと思う。
・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★☆☆☆☆
景観: ★★★★★☆☆☆☆☆
路面状況:★★★★★☆☆☆☆☆
距離
11.8km
最大標高差
668m
平均斜度
全体:5.6%
上り:5.9%
下り:0%
獲得標高
上り:662m
下り:0m
・補給ポイントについて
スタート地点は名古木の交差点からとする。峠の頂上までは11.8㎞となる。
ちなみにこの名古木という地名、読みは「ながぬき」である。私がヤビツ峠を知った時は、「なこぎ」だと思っていたのだが、数回来るうちにふと信号の看板を見て本当の読み方を知った次第だ。
このサイトを見られた方はしっかりと覚えて帰っていただきたい。
・ラストコンビニ
ラストコンビニはスタート地点にあるセブンイレブンだ。
昔はその先にデイリーヤマザキがあったが、現在は閉店している。
・ラスト自販機
ラスト自販機は、蓑毛のバス停にあるものが最後だ。
バス停にはトイレもあるので、催した際には利用させてもらおう。
・実走レビュー
スタートすると最初の3㎞程は5%前後の勾配とアップダウンが待っている。
場所によっては10%になる箇所もあるが、それほど長くないので、無理は禁物だ。
アップのつもりで登っていきたい。
ちなみにスタートしてから信号が2か所ある。
最近はヤビツ峠での自転車事故も多いので、タイムを計測していたとしてもしっかりルールを守ろう。(何より自分が痛い思いをするのは嫌だろう)
3㎞地点を過ぎると鳥居が現れる。
ここから先は勾配がぐっときつくなり、蓑毛のバス停までの1㎞区間で平均勾配は9%ととなる。
最大勾配は11%程度になるので、体感的には10%オーバーだと思っておくと良いだろう。
住宅街の中をまっすぐに登っていくその様はシャカリキや弱虫ペダルを想像させる。(ちなみに私はオーバードライブとカモメチャンスも好きだ!)
バス停までくると勾配は少しだけ緩くなる。
ただし油断してはいけない。すぐに急勾配のトレードマークと言えるドーナツ舗装が現れることになるからだ。
距離としては200m強だが最大勾配は14%になり、手前の坂で頑張りすぎるとここで黄金のタレ(※)が発動してしまうので注意しよう。(※=脚が売り切れてスピードダウンする様子)
急坂を乗り越えると、その先は一旦勾配が緩くなる。
ここから先、7.3㎞地点にある浅間神社の入り口までの2.6㎞区間で平均勾配5.1%となる。
勾配のきつい区間と緩い区間が適度に織り交ざって現れるので、場所によっては10%近くになる。
神社自体は見えないが、道が広がり石碑と階段が見えたら神社だ。
この区間は今までの住宅街を抜けて、森の中を進んでいくことになるので、少し薄暗い。(それでも間伐が進んで日当たりは良くなった)
夏場には日影も多くなるが、冬場は凍結に注意してほしい。
また道が狭くなる区間も増えるので、対向車や路線バスには注意してほしい。
浅間神社を越えると、次に目印となるポイントは菜の花台だ。
神社からの距離は1.2㎞で、平均勾配は7.2%となる。
この1.2㎞区間は階段式の登りなので、きついところと緩い登りが連続してやってくる。
またコーナーが増えて、場所によってはコーナー内側で14%になる。
菜の花台からは秦野の市街地を一望することができる。
タイムを狙ったり、足つき無しの登坂を考えていない時にはちょっと休憩がてら寄ってみるのも良いだろう。
菜の花台を越えるとゴールまでは3.3㎞となる。
概ねコースの3分の2を過ぎたころだ。
残りの3.3㎞で平均勾配は6.5%となるが、油断してはいけない。
ここまでで脚を使ってきているので、想像以上に頂上までは長く感じることだろう。
残りの区間を大きく分けると、菜の花台からの1.5㎞弱は平均勾配が7%強となる。
一方でゴールまでの残り区間は6%だ。
菜の花台を出てからは2車線道路が続くことになるが、この区間が比較的脚に応えるだろう。
辛くなったら街を見下ろしながら登ってきていることを時間して精神的な辛さをごまかしたい。
道が細くなったらラスト区間の後半部分だ。
勾配は緩くなってくるが、脚が残っていないと感覚的にはあまり変わらないかもしれない。
くねくねした細い道を、ゴールはまだかまだかと考えながら登るのは修行のようだ。
少しでも早くゴールしたいだろうが、交通量はそれなりにあるので、カーブで内側に入ってのショートカットはせずに、キープレフトを徹底したい。
ゴールは唐突に現れる。
正面に見えていた山がいきなり低くなり、山と山の間に向かって進んでいく感じになるのが合図だ。
とはいえサイコンを見ていないと、初見でゴールスパートをするのは難しいだろう。
タイムを狙う場合は、前半の住宅街区間は無理をせず、中盤の勾配が緩くなった区間でスピードを上げ、菜の花台から先は粘りの走りを意識しよう。
・頂上施設について
頂上にはトイレのほか、売店と自販機がある。
自販機には大したものは売っていない。
またヤビツ峠の看板があるので、初めてなら写真を撮っておこう。
ちなみにヤビツ峠は時間や日付を問わずいつでもローディがいる。
土日は頂上のロータリーが自転車で埋まるほどで、知らない人が見たらイベントやレースがあると思うだろう。
・路面状況について
路面状況は一部を除いては良好だ。
ただし道幅の割に、自動車や路線バスが頻繁に通るので通行には十分に注意してほしい。
また文中でも書いたが、自転車乗りが増えるに従い事故も非常に増えている。
特に下りでスピードの出しすぎによる対向の自転車や自動車、バスへの正面衝突が起きており、地元からは自転車通行禁止とすべきではないかとの声も出ているので、自分たちの首を絞めないように安全運転で走っていただきたい。