第2回は、定峰峠から続く奥武蔵グリーンラインだ。
奥武蔵グリーンラインについては定番のWikipediaで調べてもいまいちスタート・ゴール地点がはっきりしないのだが、今回は定峰峠から鎌北湖までとした。
秩父、飯能方面のどちらから走っても獲得標高は大きく変わらないようだが、鎌北湖から定峰峠下までの往復70㎞で大体2300mくらいとなるようである。(定峰峠を下らなければ、2000m弱になる。)
そしてこのグリーンロードの最大の特徴は峠が連続しており、フィーバー状態の坂道インターバルを味わえることである。これはもう坂道好きにとっては聞いただけでよだれが垂れそうな話である。
とはいえもちろんゆっくり走りたいという方にもお勧めであるので、そのあたりについてもしっかりと説明していきたい。
私が走ったルートは前回の定峰峠からの続きとなるため、東京方面からは逆走ということになる。とにかく峠が多いので各峠ごとの特徴はさらっと紹介していく。
・峠スペック
坂バカ度:★★★★☆☆☆☆☆☆(峠ハンターには格好の狩場となる)
景観: ★★★★★☆☆☆☆☆
路面状況:★★★★★☆☆☆☆☆
距離
30.5km
最大標高差
687m
平均斜度
全体:-1.5%
上り:6.7%
下り:6.8%
獲得標高
上り:701m
下り:1145m
・実走レビュー
定峰峠の後に控える最初の峠が白石峠だ。白石峠は定峰峠から約2.5㎞で240m登ったところにあるため定峰峠の後に更に登るとなるとそれなりに辛いが、頂上にはちょっとした休憩所があるので、ここでしっかり休もう。
次に現れるのは高篠峠だが、ここは心配する必要はない。なぜなら白石峠からは下ったところのある峠だからだ。下った先が峠というのも腑に落ちないかもしれないが、グリーンラインは尾根をつないだ林道のため、
高篠峠の次は大野峠だ。高篠峠からは100mほど登ることになるが、1.6㎞ほどあるため斜度としては6%程度である。峠の頂上は高篠峠同様峠を示す標識があるだけだ。しかし実はグリーンラインで最も標高の高い峠(850m)となる。つまりその先は比較的下り基調ということだ。
なお夏は日影が多く走りやすいと思われるが、逆に冬は気温が低く凍結や残雪に注意が必要だろう。どちらにしてもアップダウンを繰り返しているうちに想像以上に標高が高くなるので、下界との気温差には注意が必要だ。
最も注意すべきは、この道はとにかく補給場所がないため事前の補給が必須となる。一応顔振峠と定峰峠に茶屋があるが、どちらも不定期休のようなので注意したい。かく言う私も無補給で突入して危うくハンガーノックになりかけた。(しかも日が落ちてきて気温も下がり結構ビビった笑)ということで、やはり念のための補給食と服装の準備は必要だろう。
グリーンラインは様々なところで登山道と繋がっており、登山客が飛び出してくることや道の真ん中を歩く高齢の登山客もいるため、声掛けや鈴をつける(クマ除けにもなる)などの注意をしたほうがいいだろう。また大野峠付近はところどころにバンプもあるので、下りの際はこちらも注意したい。
峠というと一人で淡々と走るのが好きな私であるが、グリーンラインは一人で走るよりもせっかくならみんなでワイワイしながら景色を見たり写真を撮ったりしながら走った方が楽しい道だと思う。
この文章だけを見るとゆっくり走りたいという方にはあまり優しくないのではないかと思われるかもしれないが、なるほどグリーンラインという名前がつく通り、ずっと緑に囲まれて走ることができる。そのため日光による体力の消耗は他の坂道と比べても少ない。また道の途中には祀られた巨石や東京方面を一望できる場所もあり、さらに標高の割には景色も良く走り切った達成感もあるので、都内からグリーンライン経由で秩父まで走り、秩父温泉に入って一杯飲んで西武線で輪行なんて乙なコースではないだろうか。