今回紹介する峠は、マニアの間では(最近では一般の方にも)有名な、長野県と群馬県の県境に位置する毛無峠だ。
なぜこの峠がここまで有名なのかというと、写真の通りなかなか衝撃的な県境の風景となっているからだ。
また最近では、ネットを飛び出して「グンマー・グンマー民」というワードが有名になったことで、このインパクトある峠の画像を見たことがあるという人も多いはずだ。
では実際に自転車でアプローチするには、どのようなルートになっているかを紹介していきたいと思う。
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・峠スペック
坂バカ度:★★★★★★★★★☆
景観: ★★★★★☆☆☆☆☆
路面状況:★★★★★★☆☆☆☆
距離
20.1km
最大標高差
1312m
平均斜度
全体:5.9%
上り:8.3%
下り:4.1%
獲得標高
上り:1311m
下り:118m
・補給ポイントについて
スタート地点は、県道112号線のこの交差点からとする。
ここをスタート地点としたのは、小布施、須坂方面からアクセスしたときに合流するポイントとなるからだ。
この地点で標高は600m程になり、市街地は標高が350m程なので、250mは登ってくる必要がある。
スタート地点から毛無峠までは20.1㎞だ。
ただし、このルートの実際の最高地点は16㎞地点となり、その先は毛無峠まで緩やかな下り勾配となっている。
・ラストコンビニ
コンビニはスタート地点そばにはないので、須坂または小布施市街で補給を済ませておきたい。
なお、頂上付近にもこれといった施設はなく、補給しようとすると群馬県側の万座温泉まで下る必要がある。
・ラスト自販機
自販機は、スタートから1.3㎞進んだ井浦魚店という仕出し料理屋の軒先にあるものが最後となる。
ここまでにもいくつかの自販機があるので、ここまでには水分補給を完了しておこう。
・実走レビュー
スタートして最初の800m程は緩やかだ。
緩やかな区間を抜けると、ラスト自販機のある交差点までは8%前後の勾配となる。
交差点は右の分岐に進もう。
左に進むと、笠岳峠という別の峠に進む。
この交差点から先が、このルートの本番だ。
ここから3.5㎞に渡って平均10%以上の登りが続く。
あまり勾配の緩むポイントはなく、つねに10%前後で推移するので、前半から脚をガンガン削られる。
足つき無しを目指すなら、とにかく無理をせずにマイペースで進んでいくことが大切だ。
道幅が比較的広く直線的なので、実際の勾配と見ている路面の勾配が一致しづらい。
思っているほどスピードが出ないような錯覚に陥るかもしれない。
折り返す様なコーナーが現れたら、ここで直線区間は終わり、ここからは九十九折れ区間となる。
ただし勾配が緩むことはなく、このカーブから2.4㎞は平均10%超の勾配が続く。
つまり、ラスト自販機ポイントから約6㎞はひたすら10%超の登りが続くわけだ。
スタートから7㎞地点まで来ると、一旦勾配が緩やかになるポイントがある。
200m程と短いが、ここまでの区間を考えると少しでも脚を休められるのはありがたい。
また7.8㎞地点には東屋があるので、きつい場合には一旦ここで休憩するのも良いだろう。
東屋を過ぎてからの3㎞弱の区間は、いくぶん勾配が緩まり平均は7%ほどになる。
道はクネクネとしており、所々で急なカーブがある。
カーブの内側は勾配がきついが、勾配の緩むポイントもあるので、多少の脚休めはできる。
11㎞地点を過ぎると、ここからは再度九十九折れの区間となる。
この区間は、このルートの最高標高地点までの5㎞に渡って続き、平均勾配は7%強だ。
この区間は、14㎞地点辺りまでの細かい九十九折れの前半区間は勾配きつめで、後半になるとカーブが大きくなり、勾配も緩くなっていく傾向がある。
徐々に頭上が開けてくれば、最高標高地点は近い。
最高標高地点には、これといった看板や標識がないのは少し寂しい。
ちなみに地図によると、標高は1,937mとなる。
最高標高地点から300m程進むと、毛無峠への分岐が見えてくるので、その方向へ進もう。
ここからはほぼ下りなので、頑張る必要はない。
・頂上施設について
毛無峠までは、ほぼ舗装路となっているので、ロードバイクでも問題なく到着できる。
尾根の上に駐車場があるだけで、それ以外は県境の看板以外は何もない。
ドローンを飛ばせばとても良い映像が撮れそうだが、風が強いので注意が必要だろう。
また自転車を立てかける際も、風には注意が必要だ。
・路面状況について
勾配はきついが、路面は比較的良好だ。
所々舗装のひび割れが見られるが、大きな問題ではない。
下りはとにかくスピードが出やすいので、絶対に無茶はしないでほしい。
特に前半部分の直線区間は、ブレーキをしなければ平気で80㎞/hくらい出てしまうが、木陰は路面が見えづらく路面荒れがとても見えづらい。
逆にブレーキの掛け過ぎは、カーボンホイールの熱変形などを起こす可能性があるので、不安ならアルミリムのホイールをお勧めする。
・その他
毛無峠の分岐をそのまま直進すると、群馬県の万座温泉まで下ることができる。
万座温泉から草津までは自転車の通行が規制されているが、渋峠方面へは登ることができるので、気持ち良くダウンヒルしたいなら渋峠を経由して下ってくるのが良いだろう。